来週、工事請負契約のハンコを押す。その前に何を聞けばいいのか分からないまま、この記事にたどり着いた人が多いと思います。
僕は2021年に、その場で何も聞かずに押しました。おかしいと気づいたのは住んだあとで、あとから数えたら払わなくてよかったお金が約350万円ありました。
契約前に聞けることは、実はそんなに多くありません。この記事では15項目にしぼって、何を・どう聞いて・どこに書いてもらうかまで書きます。
質問はタダですが、聞かなかった分は現金で払うことになります。契約のあとに交渉できる余地は、契約の前とくらべてかなり小さくなります。
あいみつ僕は「感じのいい営業さんだし大丈夫だろう」で押しました。人柄と契約書は別の話でした。
あいみつ|「みんなの住宅失敗談」運営者。35歳・会社員(住宅・不動産業界の人間ではありません)。
- 2022年に35坪4LDKを建築
- 総額は約4,200万円
- 1社契約で350万円高くついた
- 2026年に不動産一括査定5社を実測
- 査定差は330万円
- 家づくりの失敗談を集めて発信中
合言葉は「家を買うときは必ず相見積もりを取れ」。プロフィールの続きを読む
注文住宅の契約前チェックリスト15項目|先に一覧で確認


先に全部出します。この15個を紙に書いて持っていくだけで、当日の空気はかなり変わります。
まずお金の話から5つです。
- 付帯工事費は入っているか
- 地盤改良が出たら誰が払うか
- 追加費用が出る条件はどこか
- 外構費は見積もりに入るか
- 登記・火災保険は別途か
次が契約の条件です。ここを飛ばすと、あとで断りたくても断れません。
- 解約したら手付金はどうなる
- 間取り変更はいつまで無料か
- 工期が遅れたら家賃は誰持ち
- 支払いは何回に分けるのか
- 口約束の値引きは書面にあるか
最後の5つは、住んでから効いてくる項目です。
- 標準とオプションの境目
- 保証は何年で条件は何か
- 定期点検は無料か有料か
- 水道・ガスの引き込み費用
- つなぎ融資の利息はいくら
ここから1つずつ、聞き方と、返ってきた答えのどこを見るかを書いていきます。
注文住宅の契約前に「重要事項説明」はある?勘ちがいしやすい点


先に、ここを整理しておきます。知らないまま当日を迎えると、説明を受けたつもりで終わってしまいます。
重要事項説明は、宅地建物取引業法にもとづく手続きです。土地や建売住宅など不動産の売買・賃貸のときに行われるもので、宅地建物取引士が書面を渡して説明します。
一方、ハウスメーカーや工務店と結ぶのは工事請負契約です。こちらは建設業法の世界なので、宅建業法の重要事項説明は行われません。
つまり土地から買う人は、土地の契約で重要事項説明を受け、建物の契約では受けません。同じ日にまとめてやる会社もあるので、自分がどちらの説明を受けているのか分からなくなりがちです。



じゃあ建物の契約は、説明なしでいきなり押すってこと…?
説明がないわけではありません。建設業法では、請負契約書に工事内容・代金・着工と完成の時期・支払い方法・設計変更や工期の変更が起きたときの決め方などを書くことになっています。
ただ、それを読み上げて説明する義務のある担当者がいるかというと、そこは会社によります。聞かなければ、そのまま次の書類に進みます。
だから「重要事項説明で聞けばいい」ではなく、「契約の日に自分から15個聞く」と考えたほうが安全です。この記事のリストは、そのために作りました。
注文住宅の契約前にお金でもめる5項目|僕が飛ばして損した所


350万円の内訳のうち、契約前に聞いていれば防げた分がここに集まっています。
順番に見ていきます。
①付帯工事費は全部入っているか
契約前の見積書に出ている金額は、多くの場合「本体工事費」が中心です。そこに入っていない工事が別にあり、それが付帯工事費と呼ばれます。
具体的には、古い建物の解体、造成、給排水の引き込み、屋外の電気工事、地盤の調査などです。総額の1〜2割ほどになることもあり、金額として小さくありません。
- 解体・造成・地盤の調査
- 給排水の引き込み工事
- 屋外の電気・照明工事
- 外構と駐車場の工事
- エアコン・カーテン工事
聞き方はシンプルで、「この金額のほかに、工事として必要になるものは何がありますか」でいいです。ここで「だいたい入っています」と返ってきたら要注意で、入っていない項目名を1つずつ紙に書いてもらいます。
僕はこれを聞かずに予算を組んで、あとから現金が足りなくなりました。住宅ローンに組み込む締め切りを過ぎてしまい、貯金から出す羽目になった分がそこそこあります。
②地盤改良の費用は誰が払うか
地盤の調査は、契約のあとに行うのが一般的です。つまり契約の時点では、改良が必要かどうか誰も分かっていません。
ここで聞くのは3つです。調査はいつやるのか、改良が必要になった場合の費用は誰が持つのか、見積もりに「地盤改良費」の枠が計上されているかどうか。
枠が0円になっているなら、それは「必要になったら全額あとから請求します」という意味です。数十万円から100万円を超えることもあるので、上限がいくらまで想定されるかを口頭でいいので確認しておきます。
実際に追加を言われた人たちの金額感は、地盤改良費の記事にまとめてあります。近所の土地でどうだったかを営業さんが知っているケースも多いので、そこも聞いてみてください。
③追加費用の条件はどこにあるか
「追加はありますか」と聞くと、たいてい「基本的にはないです」と返ってきます。この質問だと、そう答えるしかないからです。
聞き方を変えます。「これまでのお客さんで、追加が出たのはどういうときでしたか」。過去の話なので、営業さんも具体例を出しやすくなります。
そのうえで、契約書と約款のどの条項に追加精算のことが書いてあるかを指さしてもらいます。読むのはその場でなくて構いません。場所を特定しておくことが目的です。
契約後の増額をどこまで断れるかは、線引きの話になります。増額そのものが違法というわけではないので、条件を先に見ておく意味があります。
④外構の費用は入っているか
外構は、建物の契約とは別扱いになることが多い部分です。駐車場の土間コンクリート、フェンス、門まわり、そして庭。
見積書に「外構工事一式 100万円」のような行がある場合、その100万円で何ができるのかを聞きます。だいたいは最低限の駐車場と、玄関までのアプローチで消えます。
僕はここを丸ごと後回しにしました。引き渡しが近づいてから外構の話になり、手元にお金が残っていない状態で削る相談をすることになります。
同じように外構の見積書1枚を前に固まっていた読者の方の話を、noteに1本載せています。同じ内容で出し直したら、土間コンクリートだけで10万円以上ちがった話です。
⑤登記や火災保険は入っているか
登記の費用、住宅ローンの事務手数料、印紙代、火災保険料。これらは工事費ではないので、請負契約の見積書には基本的に入りません。
いわゆる諸費用で、総額の5〜10%程度が目安とされます。4,000万円の家なら200万円以上になる計算です。
ここで大事なのは金額そのものより、その分を住宅ローンに入れられるのか、現金で用意するのかという点です。銀行によって扱いが違うので、契約の前に営業さん経由で確認します。
僕はこれを組み込めないまま進んで、貯金が一気に減りました。家そのものは気に入っているのに、入居した月の残高だけは今も覚えています。



①と④を聞かなかっただけで、現金がごっそり飛びました。聞くのは3分です。
契約の条件で確認する5項目|解約・変更・工期・支払い


ここは金額の話ではなく、あとから身動きが取れるかどうかの話です。
1つずつ見ていきます。
ここで確認する解約条項は、いざというときに払ったお金が戻るかどうかを直接決めます。注文住宅の契約金・手付金が戻ってくる条件を読んでから、契約書の該当ページを開くと見落としが減ります。
⑥解約したら手付金はどうなるか
契約のときに払うお金には、申込金・契約金・手付金など会社ごとに呼び名があります。名前より、やめたときに返るのかどうかが問題です。
聞くのは2つです。着工前にやめた場合はどうなるのか、そのときに実費として請求されるのは何か。設計にかかった費用を精算する形にしている会社もあります。
ここで「まあ、そうなったら相談で」と流されたら、必ず紙に書いてもらうようにします。やめたい状況のときは、たいてい担当者との関係も良くありません。
なお、事務所で結んだ工事請負契約はクーリングオフの対象外になるのが原則です。「8日以内なら白紙に戻せる」と思っていると、話がずれます。
⑦間取り変更はいつまで無料か
注文住宅は、契約してから間取りを詰めていく流れが一般的です。つまり変更が前提なのに、いつから有料になるかは説明されないことがあります。
基準になるのは、建築確認申請を出すタイミングです。申請のあとに変更すると、再申請の費用や日数がかかります。
質問は「間取りの変更が有料になるのは、どの工程からですか」。答えを聞いたら、その工程がカレンダーのいつ頃かも一緒に聞いておきます。
僕の打ち合わせは全部で16回ありました。12回目あたりから「もうどっちでもいい」が口ぐせになって、判断が雑になっていきます。期限を知っていれば、力を入れる回を選べました。
⑧工期が遅れたら家賃は誰が持つか
賃貸に住みながら建てる人は、完成の時期をもとに解約の連絡をします。そこがずれると、二重に家賃を払う月が出てきます。
請負契約書には、工期が遅れたときの遅延損害金の定めが入っているのが普通です。ただ、実際に払われるのかは別の話で、天候や資材の都合は免責になっていることが多いです。
だから聞くのは、補償より先に「賃貸の解約はいつ伝えるのが安全ですか」という実務の質問にします。良い担当者ほど、1か月以上の余裕を勧めてきます。
⑨支払いはいつ、何回に分けてか
請負代金は、契約時・着工時・上棟時・引き渡し時のように分けて払うのが一般的です。会社によって回数も割合も違います。
- 契約のときに払う分
- 着工のときに払う分
- 上棟のときに払う分
- 引き渡しのときに払う分
ここで確認したいのは、それぞれの金額と時期、そして住宅ローンの実行が引き渡しのときになる場合にどうやって払うのかです。
この答えが、次に出てくるつなぎ融資の話につながります。支払いの表を1枚もらって、自分の口座の残高と並べて見ておくと安心です。
⑩口約束の値引きは書面にあるか
打ち合わせの終わりに出る「これはサービスしておきます」は、その場では気持ちよく聞こえます。ただ、担当者が代わった瞬間になかったことになります。
やることは1つで、見積書か仕様書のどこに反映されているかを指さしてもらいます。金額が0円と書かれているか、項目自体が入っているか。
紙に載っていないサービスは、無いものとして予算を組むのが安全です。言った言わないは、こちらが不利になります。



そこはサービスさせていただきますよ、社内は僕から通しておきます。
この一言が悪いわけではありません。ただ、通しておきますの結果を紙で見せてもらうまでが1セットです。
住んでから効く5項目|標準・保証・点検・引き込み・つなぎ融資


ここは契約日に痛みがない分、いちばん飛ばされる5つです。
続けて見ていきます。
⑪標準とオプションの境目はどこか
展示場で見た家は、たいていオプションだらけです。契約前の見積もりがどの仕様で作られているのかを、部屋ごとに聞いておきます。
とくに効いてくるのは断熱とサッシです。見た目に出ないので後回しにされやすく、住んでからは絶対に変えられません。
僕は営業さんの「このエリアならこれで十分です」を信じて、断熱を標準のままにしました。4年たった今、一番後悔しているのがここです。冬のリビングで、長女が足を上げて座っています。
標準の中身を聞くときは、床・壁・窓・断熱材の4つだけでも型番を出してもらうと比べやすくなります。
⑫保証は何年で、条件は何か
新築住宅は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分について、引き渡しから10年間の保証が法律で義務づけられています。ここはどの会社でも同じです。
差が出るのは、その先です。20年・30年といった長期保証をうたう会社は多いですが、たいてい有料のメンテナンス工事を自社で受けることが延長の条件になっています。
聞くのは「延長の条件は何ですか」と「そのときの工事は、だいたいいくらですか」。10年目・20年目に数十万円単位の出費が来るかどうかが分かります。
- 延長に必要な工事の中身
- その工事の費用の目安
- 他社で施工した場合の扱い
- 保証が切れる条件
⑬定期点検は無料か有料か
点検の案内が来るタイミングは、半年・1年・2年・5年・10年あたりが多いです。この訪問自体が無料かどうかを確認します。
もう1つ、点検で見つかった不具合の直し方も聞いておきます。保証の範囲で直るのか、その場で見積もりが出るのかで、印象がかなり変わります。
点検に来るのが建てた会社の人なのか、外部の協力会社なのかも一応聞いておくと、引き渡し後の連絡先で迷いません。
⑭水道・ガスの引込費は誰の負担か
前の建物が建っていた土地でも、水道管の太さが足りずに引き直しになることがあります。道路から敷地までの工事なので、金額が読みにくい部分です。
自治体に払う負担金が別でかかる地域もあります。ここは営業さんが調べれば分かるので、契約前に調べてもらいます。
親から譲ってもらった土地や、古い分譲地は特に確認しておきたいところです。僕の土地は妻の実家からの話でしたが、水道の話を自分から聞いたことはありませんでした。
⑮つなぎ融資の利息はいくらになるか
住宅ローンは、家が完成して引き渡しを受けたときに実行されるのが基本です。ところが着工金や上棟金は、それより前に払う必要があります。
その間をつなぐのがつなぎ融資で、実行までの期間は利息だけを払う形が多いです。金利や事務手数料は金融機関ごとに違います。
だから聞くのは金利より、「何回・いくら借りて、利息の合計はいくらになりますか」のほうです。計算した紙をもらえば、そのまま予算に足せます。
工期が延びれば利息も増えます。⑧の工期の質問と一緒に聞くと、話が早いです。



15個全部は無理でも、お金の5つだけは紙を持って行ってください。
注文住宅は契約前にどこまで決めるべきか|当日の進め方


15項目を聞くとして、当日どう動けばいいのかを3つに分けます。
順番に見ていきます。
契約前に決まっていればいいこと
間取りを1ミリの狂いもなく確定させる必要はありません。契約前に固めておきたいのは、金額の枠と条件のほうです。
- 総額の上限とその内訳
- 本体以外にかかる工事
- 現金で払う分の金額
- 変更が有料になる時期
- やめたときの精算方法
逆に、コンセントの位置や壁紙の色は契約後で間に合います。決める順番を間違えると、細かい所を話しているうちに大きい所が決まってしまいます。
答えは口頭で終わらせず紙に残す
15個を聞くと、答えの量がそこそこになります。覚えていられないので、打ち合わせ記録に書いてもらうのがいちばん確実です。
多くの会社には打ち合わせシートがあります。「今の話、そこに書いておいてもらえますか」と言うだけで、記録として残ります。
それも難しければ、自分のメモを写真に撮って、その場でメールで送っておきます。あとで争いになるのは、たいてい紙がない項目です。
答えが出ないなら押さなくていい
15項目のうち、いくつかは調べないと答えられないものがあります。そこで「調べてから、次でお願いします」と言えるかどうかが分かれ目です。
キャンペーンの締め切りや金利を理由に急がされることもあります。ただ、答えの出ていない契約を押して得することは、こちらには1つもありません。
そして、比べる相手が1社もないと、この「持ち帰ります」がとても言いにくくなります。僕が3か月で押してしまったのも、他社の数字を1枚も持っていなかったからです。
家にいるうちに複数社の間取りと資金計画をそろえておくと、当日は数字を並べて話せます。いきなり展示場に行くより、先に手元で比べるほうが落ち着いて進みます。
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申し込みのコツ:会社を選ぶ画面では「まとめて選択」か3社以上にチェック(1社だけでは比べられません)。電話番号・住所を正確に入力すると、提案が届きやすくなります。
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読者の方から届いた話を、身元が分からない形に整えて載せています(※一部再構成)。
順番に読んでみてください。
地盤改良:136万が後から
契約の日、見積書の下のほうに「地盤改良費」という行があったのは覚えています。金額のところが0円だったので、いらないんだなと思って飛ばしました。
調査は契約の3週間後でした。結果を聞きに行ったら、営業さんが先に「ちょっとお時間いいですか」と言ってきて、そこで嫌な予感がしました。柱状改良で136万円です。
その場で出てきたのは、地層の数字が並んだ調査報告書と、改良工事の見積もりでした。柱の本数と単価が書いてあって、説明としては筋が通っています。数字が妥当かどうかを判断する材料が、こちらには何ひとつありませんでした。
隣の家も同じくらいかかったと聞かされて、そういうものなのかと思うしかありませんでした。断るという選択肢はもうなくて、土地は買っているし、契約も済んでいます。
妻には帰りの車で話しました。何も言わずに窓の外を見ていて、しばらくしてから「それ、先に分からなかったの」と言われて、返す言葉がなかったです。分かるわけないだろ、と一瞬思ったんですが、たぶん聞けば教えてもらえた部分はありました。
近所の地盤がどうだったか、営業さんは知っていたと思います。0円の行を見て「これは必要になったらいくらぐらいですか」と聞いていたら、少なくとも心の準備はできていました。今でもあの0円の行だけ、やけにはっきり覚えています。(38歳・会社員)
外構:庭が砂利のまま
うちは外構を完全になめていました。建物の話ばかり半年やって、外の話が出たのが引き渡しの2か月前です。
見積もりが出てきて230万円。駐車場2台とフェンスと、あと玄関まわりで、庭は入っていません。この時点で手元の現金はほぼゼロでした。
結局、駐車場の土間と最低限のフェンスだけやって、庭は砂利を敷いて終わりにしました。冷静に考えたら正しい判断だと思います。ただ、引っ越しの日に娘が「お庭は?」と聞いてきたのはこたえました。
削る相談は、外構屋さんの事務所で30分くらいでした。カタログのフェンスを見ながら、これは要る、これは後でと線を引いていく作業です。楽しい打ち合わせではなかったです。
あと、夫婦でここだけは本気でもめました。私は削ろうと言って、夫は無理してでもやろうと言って。どっちが正しいという話じゃないんですけど、お金がない状態でする相談って、全部きつい言い方になります。
3年たって、去年やっと芝を入れました。順番にやればいいと今は思えますが、契約のときに「外構はいくら見ておけばいいですか」の一言を聞いていたら、あの2か月間の空気は違ったはずです。(41歳・女性)



外構は最後に回されがちです。金額の枠だけでも先に聞いておきたいところです。
変更期限:知らず18万
33歳、共働きで、打ち合わせはだいたい土曜でした。契約したあとに間取りを詰めていく方式だったので、変更は自由にできるものだと思い込んでいたんです。
玄関の位置を90度変えたいと言ったのが、確認申請を出したあとでした。設計の方の顔が一瞬止まって、そこで初めて再申請の話が出ます。
18万円と、工期が1か月ほど後ろにずれました。金額より工期のほうが痛くて、賃貸の解約を先に出していたので、そこから二重家賃の計算をやり直しています。
大家さんに電話して、1か月だけ延長できないか相談しました。次の入居者がもう決まっていて、無理でした。妻の実家に1か月だけ荷物を置かせてもらって、そこは助かった部分です。
悪いのは自分です。ただ、契約のときに「変更が有料になるのはいつからですか」と聞いていれば、申請の前にもう一度考える時間を作ったと思います。誰も教えてくれなかったとは言いません、聞かなかったので。
設計の方は「早めに言っていただければ」とは言いませんでした。そこは優しさだったと思います。
今の家の玄関は、結局あとから変えた向きです。毎朝そこから出るたびに、18万のことをちょっとだけ思い出します。慣れましたけど。(33歳・男性)
つなぎ融資:利息が想定外
お金のことは自分なりに調べたつもりでした。金利も比べたし、月々の返済も試算しました。抜けていたのが、家が建つまでの間の話です。
着工金と上棟金を先に払う必要があると言われて、そこでつなぎ融資という言葉を初めて聞きました。仕組みの説明は受けたんですが、いくらになるかは聞かなかったです。
実際に引き落とされ始めてから、通帳を見て「これ何の引き落としだっけ」となりました。事務手数料もあって、最終的に30万円台後半です。人によっては大した額じゃないと思います。
うちは工期が2か月ほど延びたので、その分も乗りました。延びた理由は資材待ちで、誰が悪いという話でもありません。ただ、延びると利息が増えるという構造を、契約のときには理解していませんでした。
銀行の担当の方は、聞けばちゃんと説明してくれる人でした。つまり聞かなかったのが全部です。住宅ローンの金利を0.1%単位で比べていた時間の、10分の1でも手前の話に使えばよかったと思います。
あとから考えると、支払いの表を1枚もらって「この回とこの回はどうやって払うんですか」と聞くだけでよかった。仕組みを丸ごと勉強する必要はなくて、自分の分の合計金額さえ出してもらえば済む話でした。(45歳・男性)
口約束:担当交代で消えた
契約を決めたのは、正直あの営業さんだったからです。よく話を聞いてくれて、こちらの予算も分かったうえで「食洗機はこちらで持ちますよ」と言ってくれました。
その人が着工の少し前に異動になりました。引き継ぎの挨拶に来た新しい担当さんはていねいな方で、そこは何の不満もありません。
ただ、仕様の確認をしていたときに食洗機の話が出て、「こちら、オプションでのご案内になっていますね」と言われました。記録が残っていないんです。前の担当さんに連絡を取ってもらえるような関係でもなく、そこで引き下がりました。
打ち合わせのノートは私も取っていて、そこには確かに書いてありました。ただ、自分のノートは証拠になりません。会社の記録に残っていないものは、社内では無いのと同じなんだなと思いました。
12万ちょっとです。正直、金額としては払えない額ではありません。それより、あのとき信じたものが紙になっていなかったという事実のほうが、しばらく引っかかっていました。
人を疑えという話ではないと思っています。ただ、言ってくれた側も忘れるし、いなくなることもある。「それ、見積もりのどこに入りますか」と聞くのは、相手を疑うことにはならないと今は思います。(36歳・女性)
注文住宅の契約前チェックリストに関するよくある質問


契約の前日によく届く質問を10個まとめました。
- 注文住宅の契約前に重要事項説明はありますか?
-
建物の工事請負契約では行われません。重要事項説明は宅地建物取引業法の手続きで、土地や建売住宅の売買・賃貸が対象です。土地から買う人は、土地の契約のときに受けます。
- 注文住宅の契約前チェックリストは全部聞かないとだめですか?
-
15個すべてでなくて構いません。優先するならお金の5項目です。付帯工事費・地盤改良・追加費用の条件・外構・諸費用の5つは、金額が大きく、契約後に動かしにくい部分です。
- 質問が多いと、面倒な客だと思われませんか?
-
ここで嫌な顔をする担当者なら、契約後はもっと聞きにくくなります。質問の量より、答えを紙に残せるかどうかを見ておくと、その会社の進め方が分かります。
- 注文住宅の契約前にどこまで間取りを決めるべきですか?
-
部屋の数と配置、延べ床面積が決まっていれば進めます。コンセントの位置や内装の色は契約後で間に合います。金額に直結する部分だけ先に固めてください。
- 契約後に解約したら手付金は返ってきますか?
-
契約書の定めによります。全額戻る会社もあれば、設計や申請にかかった実費を精算する会社もあります。金額の話なので、契約前に条文の場所を確認してください。
- 工事請負契約にクーリングオフは使えますか?
-
会社の事務所で結んだ契約は、原則として対象外です。自宅への訪問など、状況によって扱いが変わることはあります。迷う場合は消費生活センターへ相談してください。
- 地盤改良費が0円の見積もりは信用していいですか?
-
0円は「まだ調べていない」という意味に近いです。調査の時期と、改良が必要になった場合の上限の目安を、契約の前に口頭でも聞いておくと準備ができます。
- つなぎ融資の利息はどのくらい見ておけばいいですか?
-
借りる回数・金額・期間で変わるので、一般の目安より自分の試算のほうが正確です。支払いの表を出してもらい、合計額を計算した紙をもらってください。
- 注文住宅の保証は何年つきますか?
-
構造の主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分は、引き渡しから10年間が法律で義務づけられています。20年・30年の長期保証は、有料の工事が延長の条件になっていることが多いです。
- 契約の日に持ち帰りたいと言っても大丈夫ですか?
-
問題ありません。調べないと答えられない項目は必ず出てきます。他社の見積もりが手元にあると、持ち帰りたいと伝えるのがぐっと楽になります。
まとめ:注文住宅の契約前チェックリストは、聞けば減るお金の話


契約前に聞けることは15個しかありません。そのうち、金額が大きく動くのは最初の5つです。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
- 建物の契約に重説はない
- 聞くのは自分からになる
- 優先はお金の5項目
- 答えは紙に残してもらう
- 出ない日は押さなくていい
家は人生でいちばん高い買い物なのに、比べる材料を持たないまま当日を迎える人がほとんどです。その情報の差が、そのまま数百万円の差になります。
僕は3か月で押しました。他社の数字が1枚もなかったので、質問することも、持ち帰ることも思いつかなかったからです。
ひとつだけ補足です。契約の日まで2週間以上あるなら、他社の間取りと資金計画を家で取り寄せておくと15項目の答え合わせができます。無料の一括資料請求で、カタログと一緒に届きます。
逆に、もう来週という人は間に合いません。その場合は取り寄せは考えず、この15項目を紙に書いて持っていくほうに時間を使ってください。
質問はタダです。聞かなかった分だけ、あとから現金で払うことになります。
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