新築なのに天井にシミが出て、ハウスメーカーに電話した。来てくれた担当者はコーキングを打って「これで一度様子を見ましょう」。
それから2回目の雨で、また同じところが濡れた。いま、そういう状態の人に向けて書いています。
先に結論です。新築の雨漏りは、原因の場所を特定しないまま「様子見」にしてはいけません。見えるところを埋めても、水は別の道を通ります。
僕は2022年に地元の中堅ハウスメーカーで35坪の家を建てました。幸い雨漏りはありません。ただ、契約のときに保証の話をほとんど聞かずにサインした自分を、この記事を書きながら少し反省しています。
この記事では、雨漏り検査だけを専門にしている株式会社プロテクトの方から聞いた「お施主様によくある失敗談」を2つ、本人視点に組み直してのせています。そのうえで、様子見をやめて今日から何をするかまで書きます。
あいみつ|「みんなの住宅失敗談」運営者。35歳・会社員(住宅・不動産業界の人間ではありません)。
- 2022年に35坪4LDKを建築
- 総額は約4,200万円
- 1社契約で350万円高くついた
- 2026年に不動産一括査定5社を実測
- 査定差は330万円
- 家づくりの失敗談を集めて発信中
合言葉は「家を買うときは必ず相見積もりを取れ」。プロフィールの続きを読む
新築の雨漏りを「様子を見ましょう」で終わらせてはいけない理由

コーキングで塞いで様子を見る、という対応そのものが悪いわけではありません。問題は、それが原因の特定を先送りにしたまま繰り返されることです。
順に見ていきます。
失うのは時間より木材
天井のシミは、雨漏りの「結果」の一部です。室内に出てくる水は、壁の中や天井裏を通ってきたあとの分で、途中で木材や断熱材に吸われた分は見えません。
様子を見ている間も、雨のたびに同じ道を水が通ります。見えないところの木材が傷んでから気づくと、直す範囲が壁一面に広がります。
シミの大きさが変わらないから大丈夫、とは言えません。表に出る量と、中に入っている量は別ものです。
10年の保証には期限がある
新築住宅は、法律で「雨水の浸入を防止する部分」について、引き渡しから10年間は売主や施工会社が責任を負うことになっています。品確法と呼ばれる法律で決まっている範囲です。
この10年は長いようで、様子見を繰り返していると意外と削れます。「そのうち直します」のまま期限を越えると、話の前提が変わります。
引き渡しの日付を、いま一度確認してください。契約書か引き渡し確認書に書いてあります。
悩む男性うちは築6年です。まだ間に合いますか。
間に合います。ただ、残りの年数が減るほど、こちらから動く必要が出てきます。次の章で、なぜ担当者が原因を見つけられないのかを説明します。
記録がないと話が進まない
雨漏りの対応で一番効くのは、感情ではなく記録です。いつ、どの雨で、どこに、どれくらい出たか。写真と日付だけで構いません。
- 雨が降った日と時間
- シミの場所と写真
- 担当者の来た日と対応内容
- 言われた言葉をそのまま
「様子を見ましょう」と言われた日付が3回並ぶと、それだけで話の重さが変わります。メールでのやり取りが残るなら、電話より文字で残る形にしておいてください。
雨漏りの原因が見つからないのは、水の入口と出口が離れているから


担当者が手を抜いているというより、探し方の問題であることが多いです。雨漏りは、水が入った場所と出てきた場所が同じとは限りません。
ひとつずつ見ます。
入口と出口はずれている
屋根や外壁から入った水は、防水シートの上や柱の表面を伝って下に流れます。天井のシミの真上に穴があるとは限らず、数メートル横のベランダの取り合いや、窓の上の板金が入口だったりします。
だから、シミの真上だけを見ても見つかりません。出口を塞いでも、入口が開いたままなら水は別の出口を探します。
担当者が「ここだと思う」と言った場所は、あくまで出口側から見た推測です。入口の確認が取れたかどうかを、そのまま聞いてみてください。
コーキングが効かない理由
コーキングは、目に見える隙間を埋める材料です。見える隙間が入口なら効きますが、入口が見えないところにあれば、埋めた場所と関係なく雨漏りは続きます。
しかも、外から見えるところを片っ端から埋めると、本来水を外に逃がすための隙間まで塞いでしまうことがあります。逃げ道を失った水が、かえって中に回ることもあると聞きました。



じゃあ、うちの担当は当てずっぽうで塗ってたってことですか。
当てずっぽうというより、雨の日にしか確かめられない前提で、できることをやっていた、が近いと思います。次の話です。
雨の日にしか確かめられない
雨漏りの調査で一番つらいのは、雨が降らないと再現しないことです。担当者が来た日が晴れなら、目視と推測で判断するしかありません。
ホースで水をかける散水調査という方法もありますが、時間がかかり、場所の見当がついていないと空振りします。原因を突き止めるには、雨と関係なく水の通り道を見る方法が要ります。
ここで、修理とは別に「原因だけを調べる」会社があることを知りました。
原因だけを調べる「雨漏り検査」という選択肢がある


修理する会社ではなく、雨漏りの入口を見つけることだけを仕事にしている会社があります。僕がやり取りしたのは、東京・多摩市の株式会社プロテクトという会社です。
サイトと、担当の米山さんから聞いた話をもとに書きます。
検査液と紫外線で入口を光らせる
やり方はシンプルで、専用の検査液を建物の上のほうから流し、紫外線を当てると、水の通った道が光って見える、というものです。入口から出口までが目で追えるので、推測ではなく場所が確定します。
雨の日を待つ必要がなく、晴れた日でも検査ができると書かれています。木造だけでなく、鉄骨やコンクリートの建物にも対応するそうです。
検査液の原料や安全性の試験結果まで公開されているので、家に流して大丈夫かが気になる人は、そのページを先に読んでおくと落ち着けます。
費用の目安は14万5千円から
料金ページには、木造2階建てで雨漏りしている箇所が1つの場合、基本料金14万5千円〜が目安と書かれています。見積もりは無料で、Web上の問診フォームに答える形です。
決して安い金額ではありません。ただ、様子見を2年続けて壁一面をやり直すことになった場合と比べる金額だと思っています。
保証期間内であれば、原因がはっきりした状態でハウスメーカーに補修を求められます。原因が分からないまま「もう一度様子を」と言われ続けるのが、一番高くつくかもしれません。



検査の結果を持って話すのと、シミの写真だけで話すのとでは、担当者の顔つきが変わります。
調べる人と直す人を分ける
プロテクトは検査と調査だけで会社を運営していて、修理は請け負っていません。依頼の大多数が建築会社からだそうで、つまり直す側の会社が「原因が分からない」ときに呼ぶ相手です。
調べる人と直す人が同じだと、直しやすい場所を原因にしたくなる気持ちが、どうしても入ります。分けておくと、原因の報告に工事の都合が混ざりません。
関東(東京・神奈川・埼玉・千葉)が対応地域です。ほかの地域の方は、同じように「雨漏り検査 専門」で、修理をしない会社を探してみてください。
雨漏り検査の専門会社に聞いた、施主によくある失敗談2つ


プロテクトの米山さんが「お施主様によくある失敗談」として教えてくれた2つの話を、本人視点に組み直してのせます。特定の個人の話ではなく、よくある流れをまとめたものなので、細部は再構成です。
2つとも、読者の方から届く相談と同じ形をしています。
修繕済みの中古、保証切れの翌年に
中古の一戸建てを買うとき、不動産屋さんに「雨漏りは修繕済みです」と言われました。過去に一度あったけれど直してある、という説明で、書類にもそう書いてありました。
正直、それを聞いて安心したというより、雨漏りの話が出た時点で少し引いていたんです。でも立地と値段が良くて、修繕済みならいいか、と自分に言い聞かせました。
引き渡しから保証の期間中、大雨らしい大雨が降らなかったのを覚えています。台風が来てもそれて、何事もなく1年が過ぎました。何もない、というのがそのときは当たり前でした。
保証が切れた次の年の梅雨に、2階の壁紙が波打ちました。触ると冷たい。そこから先は早くて、検査に来てもらったら、壁の中には水がずっと入り続けていて、見えない部分の木材が傷んでいたそうです。
室内に垂れてこなかっただけで、雨漏りは続いていた。修繕済みという言葉と、目で見て何もないという安心が、ちょうど重なっていただけでした。
いま思うのは、保証期間のうちに、見た目ではなく検査で確かめておくべきだった、ということです。費用を惜しんだというより、確かめるという発想がなかった。それが一番悔しいです。
壁紙を触ったときの冷たさは、今でもたまに思い出します。(雨漏り検査会社に寄せられる、中古物件で多い相談をもとに当事者目線で再構成したものです)
新築でコーキングと様子見のループ
建てて1年もたたないうちに、リビングの天井にシミが出ました。新築です。まさか、という気持ちと、営業さんに電話する手の重さの両方を覚えています。
担当者はすぐ来てくれました。外に回って、見える隙間にコーキングを打って、「これで一度様子を見ましょう」。丁寧でしたし、その日は正直ほっとしました。
次の大雨で、同じところが濡れました。また電話、また来てくれて、別の隙間を埋めて「様子を見ましょう」。3回目あたりから、言葉が同じであることに気づきました。
根本的な原因を突き止めない、その場しのぎの対応が続いて、いつ再発するか分からない。頭を抱える、というのはこういうことかと思いました。
家族は「新築なのに」と言います。僕もそう思う。でも担当者を責めても、原因が分かるわけではないので、何を要求すればいいのか分からないまま時間だけ過ぎました。
雨が降る予報を見るたびに、天井を見上げる癖がつきました。新築の家で、雨の日が嫌いになるとは思っていませんでした。
これは検査会社の方いわく、いちばんよくある相談だそうです。途中で自分の言い分を変えたわけでもないのに、話が進まない。(雨漏り検査会社に寄せられる、新築で多い相談をもとに当事者目線で再構成したものです)



2つ目、うちとまったく同じ流れです。
様子見をやめて、今日からやる4つの手順


やることは多くありません。順番だけ守ってください。
1から順に。
引き渡し日と保証の残りを確認
契約書か引き渡し確認書で、引き渡しの日付を確認します。そこから10年が、雨水の浸入に関する保証の目安です。
あわせて、施工会社が加入している住宅瑕疵担保責任保険の書類も探してください。会社がなくなっても保険から補修費が出る仕組みで、引き渡し時に渡されていることが多いです。
記録を1か所にまとめる
日付、雨の状況、シミの写真、担当者の対応、言われた言葉。スマホのメモ1本でいいので、1か所にまとめます。
担当者とのやり取りは、できるだけメールで。電話で話したあとに「本日の内容の確認です」と一通送るだけで、記録になります。
原因の特定を文字で求める
次に連絡するときは、「補修」ではなく「原因の特定」を求めてください。「入口の場所を確認したうえで補修してほしい」と文字で伝えるのがポイントです。
担当者が原因を特定できない場合は、外部の検査を入れたい旨も添えます。保証期間内なら、検査費用の扱いも含めて相談できます。



一度様子を見ましょう。それでダメならまた考えましょう。
この言葉が3回目なら、次は文字で返すタイミングです。
検査の見積もりを取っておく
見積もりを取るだけなら無料です。プロテクトの料金ページにはWebの問診フォームがあり、建物の構造と漏水箇所の数で目安が出ます。
見積もりが手元にあると、担当者との話に具体的な選択肢が1つ増えます。それだけで「様子を見ましょう」の回数は減ります。
関東以外の方は、お住まいの地域で「雨漏り検査」を専門にしていて修理を請け負わない会社を探してください。調べる人と直す人を分ける、という基準は同じです。
新築の雨漏りでよくある質問


新築の雨漏りは無料で直してもらえますか?
引き渡しから10年以内で、雨水の浸入を防ぐ部分の不具合であれば、施工会社や売主が責任を負うのが原則です。ただし原因が分からないまま「様子見」が続くと、期限だけが減ります。原因の特定を文字で求めてください。
ハウスメーカーがコーキングしか対応してくれません。
見える隙間を埋める対応が悪いわけではありませんが、入口が特定できていなければ再発します。「入口の場所を確認したうえで補修してほしい」と伝え、記録を残してください。
雨漏り検査の費用はいくらですか?
プロテクトの料金ページでは、木造2階建てで漏水箇所1つの場合、基本料金14万5千円〜が目安とされています。見積もりは無料で、Webの問診フォームから依頼できます。
検査は雨の日でないとできませんか?
検査液と紫外線を使う方法なら、晴れた日でも水の通り道を確認できます。雨の日を待つ必要はありません。
中古住宅で「雨漏り修繕済み」と言われました。安心していいですか?
室内に出ていないだけで、壁の中に水が入り続けていることがあります。保証期間内に、目視ではなく検査で確かめておくのが安全です。
検査会社と修理会社は同じところに頼んだほうが楽ですか?
楽ではありますが、調べる人と直す人が同じだと、直しやすい場所が原因になりやすい面があります。原因の報告と工事の都合を分けるために、別にする考え方があります。
保証期間を過ぎてしまいました。
保証の枠は使えなくなりますが、原因の特定と補修は自費でできます。放置するほど直す範囲が広がるので、まず検査で入口を確定させるのが先です。
担当者とのやり取りは電話でもいいですか?
電話のあとに「本日の内容の確認です」とメールを一通送ってください。文字で残る形にしておくと、あとで話が食い違ったときに強いです。
あわせて読みたい関連記事です。
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参考記事:悪徳業者を見抜くたった一言とは?見分け方とだまされた5人の体験談
まとめ:新築の雨漏りは、様子見ではなく原因の特定から


「様子を見ましょう」は、原因が分かっていないという意味です。分からないまま待つ時間は、保証の期限と木材を削ります。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
- 様子見は原因の先送り
- 雨水の保証は引き渡しから10年
- 入口と出口は離れている
- 原因だけ調べる検査がある
- 目安は14万5千円から
- 記録と文字で求める
家は人生で一番高い買い物です。それなのに、雨漏りのような不具合ほど「まあ様子を見るか」で流れやすい。情報の差が、数年後の修理代の差になります。
いま様子見の途中にいる方は、今日、引き渡し日を確認して、記録をメモに1本まとめるところからで十分です。
これから家を建てる方、建て替えを考えている方へ。契約前に、保証の範囲と不具合が出たときの窓口を、複数の会社で比べておくと、こういう場面で困りにくくなります。
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