注文住宅が完成し、引き渡し直前に行うのが「施主検査(内覧会)」です。ここを省くと、入居後に不具合が見つかっても直してもらいにくくなることがあります。
この記事では、施主検査でやるべきチェックと、図面と違う・欠陥が見つかったときの対処を解説します。
結論を先に言うと、引き渡し前にチェックリストで隅々まで確認し、不具合は書面で是正を依頼するのが鉄則。不安なら第三者検査も有効です。
\最初に結論/
- 施主検査とは
- チェックリスト
- 図面と違う/欠陥の対処
- トラブルの防ぎ方
- 引き渡しでヒヤッとした5人の体験談
「みんなの住宅失敗談」運営者。ハウスメーカーに言われるまま契約して、350万円もぼったくられた経験あり。
同じ後悔をする人を減らしたくて(本当はボッタクリ業者にムカつきすぎて)全国の住宅の失敗談を集めて発信しています。合言葉は「家を買うときは必ず相見積もりを取れ」。
施主検査とは?引き渡し前にやるべき理由

施主検査とは、引き渡し前に施主自身が建物の仕上がりを確認する場です。引き渡し後より前のほうが、是正をお願いしやすいため、ここが最後で最大のチェック機会になります。
「プロが建てたから大丈夫」と省略するのは危険。傷・建て付け・設備の不良は、見れば素人でも気づけるものが多いです。
あいみつ引き渡し前のひと手間が、入居後の苦労を防ぎます。
施主検査のチェックリスト


場所別に、最低限ここは見ておきたいというポイントです。
- 壁・床の傷や汚れ
- ドア・窓の建て付け
- コンセントの位置と数
- 水回りの水漏れ・排水
- 図面との相違がないか
当日はメジャー・スマホ(写真)・図面を持参し、気になる箇所は写真を撮り、その場で指摘しましょう。後から言うより、その場のほうが対応がスムーズです。
図面と違う・欠陥が見つかったら


もし図面と違う箇所や欠陥が見つかったら、口頭でなく書面(指摘リスト)で是正を依頼します。是正の期限と再確認の日程も決めましょう。
対応に納得できない、判断が難しい場合は、住宅の第三者検査(ホームインスペクション)を利用する手もあります。プロの目で客観的に見てもらえます。
引き渡しトラブルを防ぐには


そもそも丁寧な施工をする、誠実に対応する会社を選ぶことが根本的な予防策です。
会社の施工品質や引き渡し後の対応は、契約前に複数社を比較する段階で見極めるのが理想。口コミや実績、担当の誠実さを比べておきましょう。
引き渡し・施主検査でヒヤッとした5人の体験談


ここからは、引き渡し・施主検査で不具合に直面した5人のリアルな体験談です。
※体験談は取材・アンケート・公開されている評判をもとに、個人が特定されないよう一部再構成しています。
検査で建て付け不良を発見(35歳)
引き渡しの一週間前、空っぽの新居でひとりメジャーを持って立っていたら、なんだか他人の家にお邪魔してるみたいな気分になりました。約36坪、二階建て。
営業さんと現場監督さんが後ろについてくれて、僕がペタペタ壁を触ったり床に寝そべったりするのを、たぶん変な客だなと思いながら見ていたと思います。
最初は順調だったんです。壁紙のつなぎ目もきれいだし、床も傷ひとつない。「思ったよりちゃんとしてるじゃん」と内心ナメてました。



「大丈夫だろう」が一番危ない。
ところが二階の寝室のドアを開け閉めしたら、閉まりきる手前でカチッと引っかかる。何度やっても同じ。床と擦れてるのか、枠が微妙に傾いてるのか、素人なんで原因まではわかりません。
そのとき監督さんがしゃがんで隙間に名刺を差し込んで、「あー、ここ建て付け出てますね」と一言。出てます、って言い方が職人っぽくて妙に記憶に残っています。その場で見つかった指摘は、結局こんな感じでした。
- 寝室ドアの建て付け不良
- 洗面台下の配管に小キズ
- リビング窓の鍵が固い
正直、検査なんて形だけだろうと半分思ってたので、ちゃんと出てきたことに自分でも驚きました。写真を撮って、その場で是正リストに書いてもらえたのが大きかったです。口で言うだけだと、絶対あとで「言った言わない」になってたと思うので。
再確認の日にもう一度行ったら、ドアはスッと閉まるようになっていて、握ったとき肩の力がふっと抜けました。いまその寝室で寝てますけど、夜中にトイレ起きてドア閉めるたび、あのカチッがなくなったなと、どうでもいいことを毎回思い出します。
コンセントが図面と違った(40歳)
参ったのはコンセントです。検査の日、リビングの壁を見て「あれ?」と。打ち合わせのとき、テレビボードの裏に四口のコンセントを付けてもらう約束で、わざわざ図面にも赤ペンで書き込んだはずなんです。それが現地では二口しかない。
最初は自分の勘違いかと思って、その場でカバンから図面を引っ張り出しました。手が少し震えてたのを覚えています。怒りというより、これ全部やり直しになったら引き渡し遅れるんじゃないか、という焦りのほうが大きかったです。引っ越し業者、もう予約してたので。



図面と現物のズレは、検査しないと気づけないんですよね。その場で言えてよかった。
図面を広げて確認したら、やっぱり四口で記載がある。それを見せたら営業さんの顔色がスッと変わって、「確認します」と。
図面を持って行かなかったら、たぶんその場で言い負かされて泣き寝入りしていたと思います。記憶だけだと弱いんですよ、こういうのは。



図面、ちゃんと持っていくべきでした……
で、原因は社内の伝達ミスだったらしくて。誰が悪いとかは、こっちにはわからないし、正直どうでもよかった。とにかく直してくれるのか、引き渡しに間に合うのか、そこだけ。
担当さん自身は誠実に動いてくれたので、会社がどうこうというより、人によるところもあるのかなと、これは私の感想ですけど。
結局、増設して引き渡しは予定どおり。いまそのコンセントにテレビとレコーダーとゲーム機ぜんぶ挿さってて、ちゃんと四口あってよかったなと。
あのとき図面を丸めてカバンに突っ込んだ自分を、ちょっとだけ褒めたいです。妻は「あなたが珍しく役に立った日」と言っています。
検査を省いて入居後に後悔(33歳)
白状すると、僕、施主検査をほぼやってないんです。当時は仕事が立て込んでて、引き渡しの日も午前中にバタバタ書類にサインして、鍵もらって、現場監督さんに「特に問題ないですよね?」と聞かれて「あ、はい大丈夫です」って。十分くらいしか見てません。今思うと何やってんだって感じです。
住み始めて二週間くらいして、梅雨に入った頃でした。二階の納戸の隅の壁紙が、なんか浮いてる。最初は気のせいかと思ったんですけど、日に日にぷくっとしてくる。触ると裏がじっとり湿ってる感じがして、ぞわっとしました。



検査してれば、こんなことにならなかったかも……
連絡したら来てはくれたんですが、引き渡し時に指摘がなかったぶん、原因が施工なのか、住んでからの結露なのか、話がややこしくなって。検査のときにちゃんと見て記録を残しておけば、こんなに揉めなかったはずなんです。証拠がないって、こんなに不利なんだと初めて知りました。
誤解のないように言うと、会社がひどいとかではなくて。最終的にはちゃんと見てもらえました。ただ、こっちが最初にサボったせいで、お互い余計な手間とギスギスを生んだなと。検査を飛ばしたツケって、こういう形で回ってくるんだなと、しみじみ。
いまもその納戸、物を置くたびに壁をチラ見する癖がついてしまいました。直ったのはわかってるんですけど、なんか信用しきれてない自分がいて。あの十分が悔やまれます。たかが十分、されど十分でした。
第三者検査に頼んで助かった(38歳)
結論から言うと、第三者検査を頼んでよかったです。お金はかかりました。たしか六万ちょいだったかな。
でも、素人の自分だけだったら絶対見落としてたものが出てきたので、元は取れた気がしています。



六万出して安心を買えたなら、安いもんだと思います。
そもそも頼んだ理由は、僕が建築のことを本当に何も知らないからです。ネットで「施主検査 チェックリスト」って調べても、見ても意味がわからない。
床下とか天井裏とか、どうやって見るんだよと。だったらプロに来てもらおうと、検査の前日に妻と決めました。
当日、インスペクターの方が機械みたいなのを持ってきて、傾きを測ったり、点検口から潜ったりして。素人目には何ともなかった天井裏で、断熱材がズレてる箇所を見つけてくれたんです。指摘してもらえたのは、ざっくりこんなところでした。



不安なら、第三者のプロの目を借りるのも賢い手です。
- 天井裏の断熱材のズレ
- 外壁シーリングの打ち忘れ
正直、こういうのは住んでから気づいても遅いやつなので、引き渡し前に第三者の目が入ったのは大きかったです。建てた会社の人も、最初はちょっと身構えてた感じでしたけど、最終的には「ここまで見てもらえると逆に安心ですね」と言ってくれて。それはそれで、誠実な会社だったんだなと。
いまは何ごともなく暮らしてます。あの検査の報告書、ファイルに綴じて本棚に立ててあって、たまに背表紙を見ると、ちゃんとお金かけてよかったよなと、ひとりで納得しています。妻には「読み返すことないでしょ」と言われますけど。
是正のやり取りで少し揉めた(31歳)
「これは仕様の範囲内ですね」。検査のとき、フローリングの色ムラを指摘したら、そう返されました。いや、範囲内って誰が決めたの、と。
素人からすると、明らかに一枚だけ色が違って見えるんですけど、これがプロの基準だと言われると、こっちは何も言い返せなくて。
色ムラだけじゃなくて、玄関のタイルの目地が一部ガタついてたり、細かいのが何個か。直してほしいと伝えたら、直すものと「これは問題ない」とされるものに分かれて。その線引きが、こっちにはどうにも納得いかなかったんです。



「仕様の範囲内」って、こっちに判断できないのがしんどい。
揉めた、というほど大喧嘩ではないんですけど、何度かメールでやり取りしました。感情的になっても損だなと思って、指摘箇所は全部写真を撮って、日付と一緒に記録に残すようにしたら、向こうの対応も少し丁寧になった気がします。記録があると、話が事実ベースになるんですよね。
最終的に、フローリングの一番気になってた一枚は張り替えてもらえました。目地のほうは「経過観察で、ひどくなったら対応」ということで、こっちも折れました。
全部が思い通りにはならないし、向こうにも言い分はあるんだろうなと。まあ、どこで線を引くかは、人によると思います。
今はその床の上にラグ敷いちゃってて、色ムラの話なんだったっけ、くらいの感じです。あんなに食い下がったのに、結局ラグで隠してるのが、自分でもちょっと笑えます。


最後に、施主検査についてよくある質問にまとめて答えます。
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よくある質問
この記事に関連して、よくいただく質問をまとめておきます。
- 施主検査は必ずやるべきですか?
-
施主検査は絶対にやるべきです。引き渡し後に欠陥が見つかると「使用感」で済まされて直してもらえないケースが普通にあります。
僕は施主検査でクロスの剥がれを2か所見つけて、その場で直してもらえました。引き渡し後だったら自費で直すパターンだったかも。検査時間2〜3時間で数十万浮く可能性ありです。
- 施主検査では何を持っていけばいいですか?
-
施主検査の必須持ち物は、図面一式・チェックリスト・養生テープ(傷の印付け)・メジャー・ライト・カメラ(スマホ可)・スリッパ・水平器あたりです。あと、ビー玉が地味に役立ちました。
床に置いて転がれば傾いてる証拠。僕は5時間で総額20か所くらい指摘事項を出しましたが、メモなしじゃ絶対覚えられなかったです。
- 図面と違う箇所が見つかったらどうすればいいですか?
-
図面と違う箇所は、その場で写真と動画を撮って、書面で指摘を残すのが鉄則です。口頭だけは絶対NGです。「言った言わない」になります。
コンセント位置やスイッチ高さは小さい差でも生活に響くので、ミリ単位でも指摘していい。図面通りに直すのは施工側の責任なので、遠慮せず指摘しましょう。
- 第三者検査(ホームインスペクション)は必要ですか?
-
ホームインスペクションは、5万〜10万円かかりますが個人的には強くおすすめします。素人が見て分からない構造や断熱・防水の不備を、プロが2〜3時間で指摘してくれます。
僕はケチって入れなかったんですが、引き渡し後に断熱材の施工不良が出てきて結局50万近く損しました。あの5万を惜しまなければ、と今でも思います。
- 引き渡し後でも直してもらえますか?
-
引き渡し後でも瑕疵担保期間内(構造・防水は10年)なら直してもらえます。ただし「初期不良」と「使用による劣化」の境目で揉めやすいので、引き渡し時に気づいたものは絶対その場で書面化するのが正解。
引き渡し後3か月以内なら大半の不具合は対応してもらえる印象ですが、半年過ぎると渋られ始めます。
- 施主検査の所要時間はどれくらいですか?
-
施主検査の所要時間は、35坪程度の戸建てで3〜5時間が目安です。30坪以下でも最低3時間は欲しい。営業から「1時間で終わります」って言われても鵜呑みにしないでください。
僕は5時間ガッツリやって正解でした。1時間で済ませてる人は、ほぼ流し見で終わってるパターンです。半日空ける覚悟で挑むのが正解です。
- 施主検査に同行するのは誰がいいですか?
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夫婦+ホームインスペクター(または建築士の知人)の3名がベストです。夫婦だけだと見落としが多発します。視点が増えるほど指摘事項が増えるので、可能なら親や兄弟も連れて行くといいです。
僕は妻と義父(建築関係)で行きました。義父が天井裏の断熱材ズレを見つけてくれて、本当に助かりました。
- 施主検査のチェックリストはどこで手に入りますか?
-
施主検査のチェックリストは、ハウスメーカーが渡してくれるものは項目少なめなので注意が必要です。ネットで「施主検査 チェックリスト PDF」で検索すると、200項目級の詳細版が出てきます。
僕はそれを印刷して持参しました。建築会社の渡してくる用紙は20〜30項目止まりが多くて、それだけだと不十分です。
- 施主検査で指摘が多すぎると気まずくないですか?
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指摘が多くて気まずくなる気持ちは分かりますが、ここで遠慮すると数十万単位で損します。僕は20か所指摘して最初は気まずかったんですけど、現場監督から「指摘してもらった方が助かります」って言われて気が楽になりました。プロも見落としはある前提なので、気にせず指摘していい場面です。
- 施主検査の指摘事項はいつまでに直してもらえますか?
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施主検査の指摘事項は、引き渡し前までに直すのが基本です。引き渡し後対応にすると優先度が落ちて忘れられがちなので、引き渡し日を1〜2週間ずらしてでも完了させましょう。
書面で「未完了項目リスト」と「対応期限」を残すのが鉄則。口約束だと半年後に「言ってない」になる可能性大なので注意です。
あわせて読みたい関連記事として、注文住宅の流れと始め方と契約後に解約できる?も参考になります。
まとめ:引き渡し前のチェックと“会社選び”が肝心


施主検査は、入居後のトラブルを防ぐ最後の砦です。チェックリストで隅々まで確認し、不具合は書面で是正依頼を。そして根本的には、丁寧な会社を選ぶことが一番の予防策です。
あらためて、この記事の要点をまとめます。
- 引き渡し前の検査が最後の砦
- チェックリストで隅々まで
- 是正は書面で依頼
- 契約前にいい会社を選ぶ
施工品質で後悔しないために、まずはタウンライフ家づくりで複数社を比較し、信頼できる会社を見極めましょう。
「結局、自分にはどれが合うんだろう?」と迷ったら、ここで紹介した会社を含む主要8社を、実際に使った本音で比較した総合ランキングが参考になります。タイプ別の選び方もまとめています。










