「住宅ローン地獄」と検索する夜は、たいてい心がすり減っています。買ったときは幸せだったはずの家が、今は毎月の返済で自分の首を締めてくる。なんでこんなことになったんだろう、と。
同じように後悔して、ブログや体験談を探しているあなたへ。先に伝えたいのは、住宅ローン地獄から抜け出した人は、現実にたくさんいるということです。終わりではありません。
この記事では、住宅ローン地獄に落ちた10名の生々しい体験談と、そこから見えた共通点、抜け出すために動いた人がやってたこと、そしてこれから家を買う人が同じ轍を踏まないための鉄則を、ブログのように正直に書いていきます。煽りも宣伝もなしです。
住宅ローン地獄に落ちる人の共通点は「1社だけで決めた」こと。逆に、無料の一括資料請求で複数社を比べるだけで、同じ家が数百万円安くなることも珍しくありません。僕が350万円損したのも、これをやらなかったからです。
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「みんなの住宅失敗談」運営者。ハウスメーカーに言われるまま契約して、350万円もぼったくられた経験あり。
同じ後悔をする人を減らしたくて(本当はボッタクリ業者にムカつきすぎて)全国の住宅の失敗談を集めて発信しています。合言葉は「家を買うときは必ず相見積もりを取れ」。
住宅ローン地獄で後悔した10名の体験談ブログ
住宅ローン地獄でいま苦しんでいる人、そこから抜け出した人、10名分の生々しい体験談を集めました。年代も、地獄の入り方も、抜け出し方もバラバラです。一気に読まなくていいので、自分の状況に近そうな話から拾い読みしてもらえたら。
※体験談は取材・アンケート・公開されている評判をもとに、個人が特定されないよう一部再構成しています。
気になる人だけ読み飛ばしOKです。順番に見ていきます。
【29歳・女】ペア直後に妊娠、収入半減
2022年11月。賃貸の更新通知が届きました。更新料11万8千。それを見た夫が「これ、もうローンでよくない?」って一言。たぶんそれが、全部の始まりです。
2023年1月、住宅展示場に2回。2月、3社で見積もり。決め手は、なかったです。なんとなく、感じが良かった営業さんのところに決めた。今書くと、そんなノリで3,800万決めたのかって、自分でも引きます。
2023年3月、銀行の事前審査。「お二人なら全然いけますよ、世帯820万ですし」って言われたとき、私たちのことを「お二人なら」って括られたの、なんかちょっと嬉しかったんですよね。今思うと、何が嬉しかったんだか。
2023年4月、引き渡し。鍵もらった瞬間、なんか、急に怖くなって。何が、って言われると、説明できないんですけど。
5月。妊娠検査薬、陽性。嬉しい。
嬉しいんですよ、ほんとに。でも頭の中で電卓が動いてました。育休でいくらになるんだっけって。
6月、7月、8月。たぶん毎日、同じこと考えてました。
夫の前では明るくしてました。夫も私の前では明るくしてたと思います。家ってこんなに会話のない場所だっけって、ふと。
2024年1月、産休。手取り24万→傷病手当ベース月13万ちょい。私のペア分の返済が月7万、7万2千だったかも。引き落としの通知、見ないようにしてました。あ、書き忘れたけど、29歳、看護師、ペアローン3,800万です。
夫が「やっぱ一馬力で借りればよかったね」って一回だけ言った夜があって。たぶん何気なく。でも私は、たぶんずっと忘れないと思います、あの一言。
子どもはもうすぐ1歳。復職決まってます。保育園代月6万8千。
私が稼いだ分、半分は保育園に。何のために働いてるか、夜に考え出すと眠れなくなる日が、たまに、というか、けっこう
【31歳・男】営業に押され予算+600万
展示場の駐車場、車が3台しか停まってなかったです。
平日の昼間でした。営業さんが、走って出てきた。
子どもにジュース。妻にコーヒー。僕には水。
3時間、座ってました。
営業さん、いい人だったんですよ。本当にいい人だった。いい人なんですよ、今でも思います。
最初の予算、3,400万。気づいたら4,000万。
気づいたら、って書きましたけど、本当に、気づいたら、なんですよ。
外壁のグレード上げて。断熱の等級上げて。床材変えて。一つひとつは数十万。「月々にしたら2,000円くらいですよ」って。10回くらい言われた気がします。10回じゃないかも。もっとかも。
銀行の事前審査、その場で電話してくれました。「いけそうですね」って。いけそう、って言葉、ふわっとしてますよね、今思うと。
本審査もすんなり。契約、3週間後。引き渡し1ヶ月後の引き落とし、10万9千いくら。31歳、メーカー、年収560。
妻が「今月、外食ナシでいい?」って聞いてきた夜があって。「うん」って答えた。
「うん」以外の選択肢を、僕が消したんですよね。
営業さん、悪くないです。たぶん。営業の仕事してたら、そう言いますよね。
今、住んで2年です。家は好きです。嫌いになれたら楽なのに、好きなんですよ。ただ、ボーナスが出るたびに、まず繰り上げ返済のことを考える。妻と旅行の話を、しなくなりました。新婚旅行が、最後だったかもしれないです。
押されて崩れた僕の問題。分かってる。分かってるんですけど
【33歳・男】SNS見栄で40坪、任売
今は賃貸2LDK、家賃9万ちょいの部屋で書いてます。任意売却の手続き終わって、半年くらい経ったとこです。あ、その前にこれ言っとくと、僕、当時インスタのフォロワー4,000人くらいいたんですよ。住宅系のハッシュタグで。バカでしょ。バカなんですけど、当時の僕には4,000人がたぶん全世界だったんですよね。
発端、覚えてます。2020年の春、フォロワーさんの吹き抜けの家の投稿が保存数1,800超えてて、それを見た瞬間、なんか、自分も建てたくなったんです。本当にそれだけです。きっかけ、ほぼそれです。
あ、これ言ってなかったけど、僕、独身です。当時も今も。なのに40坪、吹き抜け、薪ストーブ、造作キッチン、5,200万。書いてて頭抱えてます。なんで一人で40坪建てようと思ったんだ、当時の僕。
あ、話戻ります。土地探しから始めて、SUUMO週5で見て、休日は車で土地巡り。ハウスメーカー、最初は4社くらい見て、最終的に1社に絞ったんですけど、その営業さんに「独身の方の注文住宅、最近多いんですよ」って言われて、なんか、それで肩の力が抜けたというか、許された気がしたというか。今思うと営業トークじゃないですか、それ。
引き渡しの日の投稿、保存数800超えました。あれが人生のピークだったと、後で気づきます。気づいたときには、もう全部終わってましたけど。
2年目の冬、会社の業績落ちて、ボーナス想定の6割。月返済13万後半。光熱費、冬場4万近く。
薪、けっこう高いんですよ。あ、薪の話さっきしましたっけ。してないか。とにかく高い。
3年目、滞納2ヶ月、任売の相談へ。担当の人が淡々としてて、その淡々さが、たぶん救いだったです。同情されてたら泣いてたので。
インスタはまだ続けてます。家の写真は、もう上げてないです。33の独身男が、何やってんだか
【35歳・女】退職と転職で詰みかけ
2022年、賃貸の更新料14万。きつかったです。同じ年、同期が家を買いました。
2023年、展示場へ。3社見ました。決めたのは、4社目です。なんでだろう、覚えてないです。
賃貸を選ばなかった理由は、たぶん3つ。更新料、子どもの足音気にしなくていい、あと、なんとなく。3つ目が一番大きかった気がします。今思うと。
銀行とのやりとり、メモしておきます。
- 事前審査、1週間。問題なし。
- 本審査、2週間。問題なし。
- 金利は変動。誰も止めなかった。
引き渡し、2024年4月。退職、同じ年の6月。理由は職場の人間関係です。詳細は省きます。
転職、3ヶ月後。年収90万くらい? 80万だったかな、その辺ダウン。
住宅ローンは月10万弱。9.8だったと思います。私の単独。
手取り21万ちょい。返済9.8。残り11くらいで光熱費、食費、通信費。やればやれます。やれますけど、貯金は無理です。
固定費削りました。スマホ格安。サブスク3つ解約。
美容院を3ヶ月に1回に落としたとき、初めてちょっと泣いた気がします。髪は、まあ伸びます。
銀行に相談。返済期間延長で月8万ちょいに。電話の担当の方は感じ良かったです。総支払額は増えます。でも今月が回らないと来月が来ないので。
通帳の残高を見るのが、月末の儀式になりました。給料日前は、千円単位で見てます。コンビニで何か手に取って、一回戻すことが増えました。前は、そんなことしなかったのに。慣れるものですね、こういうのも。
家は気に入ってます。で、まあ、そんな感じです。
【37歳・男】修繕費を完全に舐めてた話
そもそもなんで持ち家を選んだんでしょうね、僕は?
賃貸じゃダメだったんでしょうか。当時、子どもが2人目生まれるタイミングで、上の子も小学校入る前で、「賃貸の3LDKで足音気にして暮らすか、思い切って戸建てか」って妻と話したのは覚えてます。
でも、なんで戸建てになったか、決定的な瞬間は、思い出せないんですよ。なんでだろう?
建売、4,200万。地方郊外。年収540で、銀行員さんは「お安い金利ですよ」って言ったんですよ。お安いって何と比べて?って今なら聞ける。当時の僕は、聞かなかったです。
「家は建てて終わり」って、なんで僕は思ってたんでしょうね? 誰に言われたわけでもないんです。勝手に思い込んでました。これって、何だったんでしょう?
建てて7年目。外壁の塗り直し見積もり、148万。「えっ、そんなにするんですか?」って本気で聞いて、業者さん困った顔したんですよ。あの顔、なんであんな顔されたんですかね?
「相場ですよ」って。相場?って思いました。誰が決めた相場?って今なら聞きたいです、7年前の自分に。
給湯器も10年で交換って保証書に書いてあったんですよ。読んでなかったんですけど。一式28万。シロアリ予防消毒、5年に1回12万くらい? 屋根のメンテも10年でまとまった額。これ、誰が払うんでしょうか?
僕でした。当然、僕です。なんで契約のとき誰も真剣に説明してくれなかったんでしょう?
いや、してくれてたかも。僕が聞いてなかっただけかも。どっちなんでしょう、今となっては。
ローン月9.4万に、修繕積立を月2万足しました。「月2万も?」って奥さんに言われて、「月2万でも足りないらしい」って答えたあの夜の、奥さんの顔。
37歳、子ども2人、年収540。家ってこんなにお金を要求してくるものでしたっけ?
【39歳・男】ボーナス半減で一気に詰んだ
「今が買い時」って、誰が言い出したんですかね。本気で。本気で聞きたいんですよ。あれ最初に言ったの、会社の3つ上の先輩なんですよ。2022年の春、ランチで「金利上がる前に動いた方がいい」って。
先輩は2018年に建ててました。先輩の家、見たことあったんですよ、外から、一回。なんかカッコよかったんですよね、それで僕も、っていう。アホですよね、アホ、アホ、アホ。
展示場、6月から行き始めて、3社目で決めました。営業さんに「39歳ならまだいけますよ、35年フルで」って言われて、まだいける、って言われると、まだいけるんだなって思っちゃうんですよ、人間。
銀行の事前審査、年収720で4,300万。「全然いけます」「ボーナス払い入れたらもっと月の負担減らせますよ」って言われて、いけます、いけます、って言葉を浴び続けて、なんかもう、いけるんだろうって。ボーナス払い年2回20万ずつ込みで契約。当時のボーナス年間180、回るって思ってた、思ってましたよ確かに。
2025年夏のボーナス、79万。前年比43%減。人事に「業績ですので」って言われて、業績?業績ってなんなんですか?僕の生活はどうなるんですか?って
ふざけんなって思いました、まじで。ふざけんなって、まじで、会社にも経済にも、で、いちばんふざけんなって思ったのは、ボーナスありきで返済設計した39の男にですよ、要は僕、僕、ボーナスが一生保証されてると思ってた自分が、いちばん意味分からないんですよ分かりますかこれ、分かんないでしょたぶん、僕にも分かんないので
あ、八つ当たりですけど、妻にも一回キレました。妻、何も悪くないのに。あの日のリビング、テレビでCMがやけにうるさかったのだけ覚えてます。
来週、銀行行きます。何話すか、整理できてない。整理する時間も、ないんですけど。
【42歳・男】転職で年収80万下がった夜
メモ書きで残します。
- 42歳・物流・既婚・子1人
- 2019年6月:賃貸更新料がきつい
- 2019年9月:展示場ハシゴ開始、5社
- 2019年12月:建売に方向転換
- 2020年1月:銀行事前審査OK
- 2020年4月:契約
- 2020年6月:引き渡し、月10.6万
- 2025年7月:転職、80万ダウン
賃貸を選ばなかった理由:足音、更新料、義父の「家賃はもったいない」、この辺。義父の影響、たぶんいちばん大きかったです。
転職理由は割愛します。書くと長くなるし、書いてもどうにもならないので。
夜、電気つけないキッチンで、ノートPCだけ光らせて家計組み直してました。妻はもう寝てます。
削減項目:
- 通信費1.4万→6,800円
- サブスク3,200円分解約
- 外食、月3回→月1回
- 保険見直し月4,500円減
あと、これ書き忘れてたんですけど、子どもの習い事も1つ減らしました。本人に「なんで?」って聞かれて、上手く答えられなかったんですよね。それから、休日のコンビニコーヒーもやめました。1日120円、月3,600円。たぶん。
合計、月2万弱削減。年収80万ダウンを月割すると6.6万。差額4.6万、足りてません。
銀行への相談、まだしてないです。電話番号は調べました。調べただけです。
次の手は副業の検討、繰り上げ返済の一時停止、児童手当の見直し。リスト化は出来てます。実行は、まだ。
妻には、まだ全部は話せてません。年収が下がったことは言いました。でも、毎月4.6万足りてないことは、まだ言えてないんです。言わなきゃいけないのは、分かってるんですけど。切り出すタイミングが、毎晩ずれていきます。
あと、これは関係ないんですけど、最近、寝付き悪いです。
【45歳・女】離婚で連帯保証だけ残った
これを読んでいる、あなたへ。連帯保証という言葉に、サインした日のこと、思い出せますか。私はその時45歳でした。夫が主債務者で、私は連帯保証人。家庭は円満でした。少なくとも、自分ではそう思っていたのです。
家を建てる話は、夫の実家からの提案でした。義父の所有していた土地を、息子に譲りたいと。私は当初、賃貸でじゅうぶんと思っていたのですが、土地代がかからない、義両親が望んでいる、その2つを並べられると、断る理由を私の側から出すのが、なんとなく憚られたのです。今思えば、その「憚られる」感覚に、私は十分に向き合っていなかったのです。
銀行で署名した日、午後3時。受付の女性が「お足元の悪い中」と言いました。雨は降っていませんでした。マニュアルなのですね、たぶん。連帯保証人欄に、私の名前を書きました。ペンの先が紙に触れる感覚は、今でも指先に残っているような気がします。
……と、あなたに語りかけるつもりで書き始めたのですが、書いているうちに、これは自分のために書いているのだと、気づきました。離婚の話が出たのは、家を建てて4年目の冬。理由は、書ける範囲ではないので、書きません。
私が家を出ました。子どもと一緒に。ローンは元夫が払い続ける、という約束で。約束って、こんなに頼りないものでしたっけね。
1年後、銀行から私のところに連絡。連帯保証人としての請求でした。もう住んでいない家のローンを、私が月10万、払えと言われたのです。
あの日、銀行員さんの説明を聞きながら、なぜか頭の中で、引っ越しのとき置いてきたソファのことを考えていました。捨てればよかった。置いてきたから、まだあの家にあるのです。私が払うローンの中に、あのソファも入っているのかと思ったら、なんだか急に。
弁護士さんに相談中で、任意売却の方向で。今は、子どもと小さなアパートで暮らしながら、もう過ぎたことを、まだ何度も考えてしまうのです。
あなたへ、と書き始めて、何を伝えたかったか、忘れました。たぶん、伝えたいというより、聞いてほしかっただけなのかもしれません。
【49歳・男】うつで1年休職、銀行に相談
家を建てたのは四十前で、まだ営業で年収がいちばん伸びていた頃で、35年ローンに何の疑問もなくて、繰り上げ返済すればいいやと思っていて、なんなら退職金で繰り上げれば早期完済も見えるなと、当時の私はそんなふうに紙に書いて妻に見せていて
あの頃の自分が、今の自分を見たら、たぶん信じないのです
朝、目を開けたら天井があって、その天井を自分で選んだことを思い出すまで時間がかかって、思い出してからも体は動かなくて、動かないまま天井を見ていると、換気扇の音だけが聞こえて
四十九になった年の春に診断書が出て、適応障害から、うつ状態へと書いてあって、休職に入って最初の月は給料が出て、傷病手当に切り替わってからは月の手取りが22万から14万ちょいに落ちて、それでも家のローンは同じ額を要求してくるのです
引き落とし日が近づくと、指先が冷たくなるのです。理由のない冷たさじゃなくて、ちゃんと理由のある冷たさで
妻は何も言わなくて、何も言わないということが何かを言っている気がして、夕方の換気扇の音が、やけに大きくて。3ヶ月目、銀行に行きました。
駅から銀行までの300メートルが、なぜか異様に長くて、信号を一つ渡るたびに足の裏が重くて、受付の女性に番号札を渡されて、待合の椅子が冷たくて、呼ばれるまでの15分が、なんていうか、人生でいちばん長い15分だった気がするのです
担当の方が思っていたよりずっと静かに書類の説明をしてくれて、怒られるとか追い詰められるとか勝手に想像していた自分が、少し恥ずかしくて、元金据え置きで利息のみの返済に切り替えてもらえて、月9万強だった負担が、ひとまず2万ちょいに
桜が散って、梅雨で、家はちゃんとここにあって、私もちゃんとここにいて、それだけが今は
【54歳・女】退職金の見込みが甘かった
あのとき、もし、退職金の見込み額を人事にきちんと確認していれば、私はこんな文章を書いていなかったと思うのです。
あのとき、もし、夫の言った「家賃を払い続けるのはもったいない」を、もう少し疑っていれば。
あのとき、もし、銀行員の「退職金で完済できますよ、お二人の収入なら大丈夫です」を、真に受けていなかったら。
あのとき、もし、会社の退職金制度の改定通知を、もっと真剣に読んでいれば。あのとき、もし、50歳の節目で資産の棚卸しをしていれば。
あのとき、もし、ボーナスでもう少し繰り上げ返済をしていれば。
家を建てたのは、私が39の年でした。夫の転勤がもうない、と言われたタイミングで、義母が「いつまで賃貸に住むつもりなの」と一言。あの一言が背中を押したというより、断る理由を私から消した、というのが、今振り返ると正確なのです。
私が54で迎えた定年。会社からの最終的な退職金は、想定より430万ほど少ない、1,170万でした。残債980万を一括返済して、手元に残ったのは、ほぼ何も。
「ほぼ何も」と書きましたが、正確には19万8千円ほど残ったのです。190万、と書こうとして桁を確認したら、19万でした。書いていて、笑えました。笑える話ではないのですが。
あのとき、もし、退職前に住み替えを検討していれば。あのとき、もし、私がもう少しお金の本を読んでいれば。
あのとき、と書き続けて、もう何度書いたか分からなくなっています。「もし」が、台所の引き出しに溜まった輪ゴムのように、いくつも溜まっているのです。
今は再雇用で週4日。手取りは現役の6割弱。夫と年金繰下げの話をしている途中ですが、話し合いというより、お互いに言葉を選びすぎて、結論が出ないというのが、正しいのかもしれません。
家は、家としては、よくしてくれたのです。家ではなく、私の見立てが、ただ、甘かった。それだけのことなのです。それだけの。
住宅ローン地獄に陥る人の共通点5選
10名の体験談を読んでいて、僕自身ゾッとしたのが「あ、この入り方、僕も完全に同じだったな」っていう瞬間が何度もあったことなんですよね。
地獄に落ちた人と、ギリギリで踏みとどまれた人。その境目には、けっこうハッキリした共通点があるなと感じました。
順番に見ていきますね。読みながら、ひとつでも自分に当てはまるものがあったら、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいです。
「これくらい」で背伸びして借りた
地獄に落ちてる人の話を読むと、最初の借入額の決め方が、だいたい「これくらいなら大丈夫だろう」っていう感覚なんですよね。
銀行の事前審査で「○○万円まで貸せます」って数字が出ると、それがなぜか「適正な予算」みたいに見えてきちゃう。でも銀行が貸せる額と、家計が無理なく返せる額って、けっこう違うんですよね。
僕も建物本体は予算内に収めたつもりだったんですけど、最終的に「あと200万くらいなら大丈夫」を3回くらい繰り返して、気づいたら当初予算より大きく膨らんでました。この「ちょっとだけ」が一番こわい。
あいみつ「これくらい」って、その瞬間は本当に大丈夫に見えるんですよ。怖いのは数年後なんですよね…。
1社しか比較せず営業の言いなりで決めた
これは僕も完全にやらかしたやつです。最初に行ったハウスメーカーの営業さんがすごく感じよくて、間取りもサクッと出してくれて、もうここでいいかなって。
でも、あとで知り合いに聞いたら、同じ広さ・同じくらいの仕様で200万以上安く建ててる人がふつうにいたんですよ。あの時の僕に教えてあげたかった。
1社しか見てないと、その金額が高いのか安いのかも判断できないんですよね。営業さんが「これがうちの相場です」って言えば、そうなんだって思っちゃう。比較対象がないって、こんなに無防備なんだなって今は思います。
共働き前提で収入減を考えてない
体験談で多かったのが「ペアローンで組んだけど、奥さんが産休・育休で収入が落ちて詰んだ」っていうパターン。
契約のときは2人ともフルタイムで、世帯年収もそれなりにあって。でも子どもが生まれたり、親の介護が始まったり、転職で年収が一時的に下がったり。10年・20年って単位で見ると、収入って一直線には伸びてくれないんですよね。
「今の2人の収入」じゃなくて、「片方が3年止まっても払えるか」で考えておかないと、けっこう厳しいかもなって思います。これは僕自身、契約時に全然考えられてなかった視点でした。
本体価格しか見ず付帯費を見落とす
これも僕がモロにやらかした共通点なんですけど、本体価格2,500万、みたいな数字だけ見て「いけるじゃん」って判断しちゃうやつ。
実際は付帯工事費(地盤改良・外構・カーテン・照明・エアコン等)と諸費用(登記・火災保険・つなぎ金利・引越し)で、本体価格の20〜30%が普通に上に乗ってくるんですよね。3,000万のつもりが、気づいたら総額3,800万。
あと、住んでからの維持費もけっこう抜けがち。固定資産税、火災保険の更新、10〜15年で外壁・屋根のメンテ。月々のローン返済額しか見てないと、こういう不定期な出費でジワジワ削られていきます。
心のサインを「気のせい」と放置
これは体験談を読んでいて一番胸が痛かった共通点で。返済が苦しくなってきた段階で、たいていの人は何かしらサインが出てるんですよね。
朝起きたときに家計のことを考えて動けなくなる、給料日前にスマホの残高を何回も確認しちゃう、夫婦でお金の話を避けるようになる。このサインに早めに気づいて動けた人ほど、選べる手段が多く残っていた印象でした。
「気のせい」「もう少しがんばれば」で蓋をしているうちに、滞納が始まって信用情報に傷がついて…ってなると、選べる選択肢がどんどん減っていく。心のサインって、家計のサインと同じくらい大事だなって思います。
住宅ローン地獄から抜け出す方法
「もう手遅れかも」って思ってる人にこそ読んでほしいパートです。僕は当事者じゃないんですけど、周囲で抜け出せた人の話を聞くと、共通してるのは「動いた」っていう一点なんですよね。
大事なのは順番で、いきなり売却を考える前にやれることがけっこうあります。相談が遅れるほど、選べる手は確実に減っていく感じです。
まず家計と返済額を全部書き出す
地獄から抜け出した人の話を聞くと、最初にやってるのはだいたい「全部書き出す」なんですよ。漠然と「やばい」じゃなくて、紙とかExcelに収入と支出と返済額を全部並べてみる。
これ、地味なんですけど効果がすごい。「あと何ヶ月でいくら足りなくなるか」が数字で見えると、対策の優先順位がハッキリするんですよね。
逆に、ここを飛ばして感覚で動こうとすると、判断がブレやすい。スマホのアプリでも紙でも、まずは現実を直視するところから。怖いけど、ここを越えないと次に進めないので。
銀行に正直に話す(リスケ・返済猶予)
意外と知られてないんですけど、銀行って延滞される前に相談に来てくれる人には、けっこう柔軟に対応してくれるんですよね。
具体的にはリスケ(返済条件の変更)。一定期間だけ元金の返済を止めて、利息だけ払う、みたいな調整ができたりします。延滞してから相談に行くと、できることがガクッと減るのがポイントで。
「銀行に言ったら家を取られる」って思ってる人、けっこういるんですけど、逆なんですよね。早めに「苦しいです」って言いに行った人ほど、家を残せてる印象です。話しに行くハードルは高いけど、その一歩がデカい。
借り換えで月々返済を下げる
まだ滞納してなくて、信用情報に傷がない段階なら、借り換えで月々の返済を下げられることがあります。
金利が組んだ当時より下がってるとか、変動から固定への切り替えとか、別の銀行で組み直すことで返済期間を延ばすとか。月々2〜3万円下がるだけで、家計の呼吸がだいぶラクになるケースは普通にあります。
ただ、借り換えにも事務手数料とか諸費用がそれなりにかかるので、トータルで本当に得になるかは要計算。複数行で試算してもらうのが基本かなと思います。ここでも比較って大事なんですよね。
売却・任意売却という選択肢を早めに知る
最後の選択肢として、家を手放すという道もあります。これは負けじゃなくて、生活を立て直すための前向きな判断だと僕は思ってます。
普通売却(ローン残債より高く売れる)で済めば一番きれいですけど、残債の方が多い場合は任意売却という方法があります。競売になる前に動けば、市場価格に近い金額で売れる可能性が高いのがポイント。
競売までいくと相場の6〜7割になることもあるので、そうなる前に決断できるかどうかで残る借金の額が全然違ってきます。「売る」って言葉に抵抗ある人多いんですけど、選択肢として早めに知っておくだけでも、心の余裕が違うかなと。
350万ぼったくられた僕がこれから家を買う人に向けて地獄に落ちないコツを伝授
ここからは、まだ契約してない人向けのパートです。10名の体験談と、僕自身が350万損した経験から「これだけは先にやっておけばよかった」と思うことをまとめます。
正直、僕は契約前にこれを知りたかったです。だから今、契約前の人に向けて全力で書いてます。
借入額は世帯年収の5倍以下に抑える
銀行は年収の7〜8倍まで貸してくれるんですけど、これは「貸せる額」であって「返せる額」じゃないんですよね。
体験談でも、年収の7倍以上で組んだ人はだいたいどこかで詰まってます。世帯年収の5倍までなら、何かあったときに調整の余地が残る感じ。6倍超えるとちょっと黄色信号、7倍は危険水域かなと。
「5倍だと希望の家が買えない」っていう人もいると思うんですけど、それは家の方を予算に合わせるしかないんですよね。逆をやると、20年30年苦しむことになるので…。ここはケチった方が絶対いい部分です。
複数社相見積もりで月々返済が変わる現実
これ、僕が350万損した最大の原因なので、ちょっと熱めに書かせてください。家って同じ広さ・同じ性能でも、ハウスメーカーや工務店で普通に200〜500万くらい価格差が出る世界なんですよ。
1社しか見ないで契約すると、その金額が高いのか安いのかすら分からない。営業さんに「これがうちの相場です」って言われたら、そうなんだって思っちゃう。比較対象がないって、ほんと無防備なんですよね。
で、複数社から間取りと見積もりを取る方法として、僕がもっと早く知りたかったのが、要望を一回入力するだけで複数のハウスメーカーから間取り提案と見積もりが届く無料一括サービスです。
展示場を何件もハシゴしなくていいし、しつこい営業電話に追われずに自宅で比較できるのがデカいなと。僕がもしタイムスリップできるなら、契約直前の自分にこれを叩きつけて止めにいきます。300万単位の差が、ここで決まるので。



「1社で十分」って思ってた当時の僕に、本気で土下座して止めたい。比較するだけで200万くらい普通に変わる世界です。
本体価格×1.3〜1.4倍を総額予算に
これも僕がやらかしたやつなんですけど、本体価格だけで予算を考えるとほぼ確実に予算オーバーします。
付帯工事費(地盤改良・外構・カーテン・照明・エアコン・カーポート等)と諸費用(登記・火災保険・つなぎ金利・引越し代)で、本体価格の30〜40%は普通に上に乗ってくると思っておいた方が安全。
本体2,500万なら、総額3,250〜3,500万で見ておく感じ。これで予算オーバーするなら、本体価格を下げて調整する。
逆だと、契約後に「こんなはずじゃなかった」が必ず発生します。僕がそうだったので…。
オプションは「3年後も毎日うれしいか」
打ち合わせのテンションって、ちょっと異常なんですよ。あれもこれも欲しくなる。営業さんも「せっかくの注文住宅ですから」って後押ししてくる。
でも、僕が住んで4年経った今、振り返ると「使ってないオプション」がけっこうあるんですよね。判断基準は「3年後も毎日うれしいか」で考えると、だいたい外せるかなと。
逆に、断熱性能とか窓の性能みたいに「住んでから後悔しても直しにくいもの」には、ちゃんとお金を使った方がいい。僕は標準仕様の断熱等級4のまま建てちゃって、冬の朝の寒さで毎年後悔してます。装飾系より性能系、これは強めに言いたいです。
よくある質問
この記事に関連して、よくいただく質問をまとめておきます。
- 住宅ローン地獄から本当に抜け出せた人はいますか?
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います。本記事の体験談でも、借り換えで月返済を2万円下げて立て直した人、任意売却で残債500万まで圧縮した人、リスケジュールで5年凌いだ人が出てきます。早く動けば動くほど選択肢が残るので、滞納する前に銀行か専門家に相談してください。
- 住宅ローン地獄の任意売却って、どれくらい時間がかかりますか?
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通常3〜6ヶ月です。競売だと半年〜1年で強制退去、価格も相場の6〜7割。任意売却なら相場の8〜9割で売れて、転居タイミングも交渉できます。滞納3ヶ月で銀行から通知が来るので、その前に動き出すのが鉄則です。
- 住宅ローン地獄で銀行に相談すると、家を取り上げられたりしますか?
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されません。むしろ早く相談した方が、リスケ(返済額の一時減額)や金利見直しに応じてもらえる確率が上がります。銀行も競売は手間で損なので、返済継続できる落としどころを探したい立場。滞納する前なら、選択肢は意外と残ってます。
- 住宅ローン地獄に陥らないために、年収の何倍までなら借りていいですか?
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年収倍率5倍以内が安全圏、6倍が上限、7倍超は地獄ゾーンです。年収500万なら2,500万、年収700万なら3,500万が安全ライン。銀行は7〜8倍まで貸してくれますが、それは「貸せる額」で「返せる額」じゃないです。
- 住宅ローン地獄の借り換えは、誰でもできますか?
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条件があります。①返済遅延がないこと②年収が借入当時から下がってないこと③築年数20年以内、が主な条件。すでに滞納してる場合は借り換え不可なので、その前に動くのが大事。auじぶん銀行・住信SBI・PayPay銀行あたりが借り換え金利低めです。
- 住宅ローン地獄で離婚することになったら家はどうなりますか?
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①売却して残債清算②片方が住み続けて借り換え③共有のまま住む、の3択です。一番揉めるのが③で、後々さらに紛争化します。
ペアローンの場合は片方への借り換え審査が通るかが鍵で、通らないと売却一択になります。離婚前に銀行と相談してください。
- 住宅ローン地獄を救う公的支援はありますか?
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あります。①住宅金融支援機構の返済特例(最長15年延長)②自治体の住宅相談窓口(無料)③法テラスの無料法律相談、の3つ。
フラット35なら返済期間延長や元金据置が認められやすいです。「相談=取り上げられる」じゃないので、まず使えるものを全部当たってください。
- 住宅ローン地獄になりやすい人の共通点は何ですか?
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①営業に押されて1社で即決②年収倍率7倍超で借りた③ボーナス払いに頼ってる④繰上返済の計画がない⑤教育費を入れてない、の5つです。記事内の10人の体験談、ほぼ全員がこのどれかに当てはまってました。逆にこの5つを避ければ地獄ルートは外れます。
- 住宅ローン地獄で家を売っても残債が残ったらどうなりますか?
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残債は個人の借金として残ります。任意売却で残債500万〜1,000万になるケースが多くて、月3万〜5万の分割返済が一般的。
自己破産という選択肢もありますが、住宅ローン以外の借金もまとめて整理することになるので、弁護士と相談してから決めてください。
- 住宅ローン地獄を避けるために事前にできることは何ですか?
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①相見積もりで本体200万下げる②年収倍率5倍以内に抑える③頭金2割入れる④FPで30年シミュ⑤変動と固定の比較、の5点。僕は①と②を怠って350万損しました。契約前にこの5つを全部やれば、地獄に落ちる確率はほぼゼロまで下げられます。
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住宅ローン地獄から抜け出した人や、これから契約する人に向けて、次に読んでほしい3本を置いておきます。
これから家を建てる人は、まず注文住宅の一括資料請求サイトおすすめランキングTOP8で複数社の見積もりを取るところから。1社しか見ないで契約すると、僕みたいに350万損します。
無料で間取り提案+見積もりが届くタウンライフ家づくりの口コミ評判も10名分まとめてあるので、実際に使った人の本音の声を読んでおくと判断がブレません。
そもそも自分の年収でいくらまで借りていいのか不安な人は、住宅ローンはいくらまで借りられる?年収別の目安と後悔した5人の本音を先にチェックしてみてください。
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まとめ|住宅ローン地獄からは抜け出せる
住宅ローン地獄って、入口から見ると絶望的に見えるんですけど、ちゃんと動いた人から確実に軽くなっていく世界です。一人で抱えないこと、これに尽きるかもです。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
家って人生で一番でかい買い物で、しかも一度契約すると30年単位で付き合うことになるんですよね。だからこそ、契約前の数ヶ月で得られる情報量が、その後の数百万・数千万円の差になってくる。情報格差がこんなにダイレクトに金額に効くジャンル、なかなかないと思います。
これから契約する人は、本当に本当に、複数社を比較してから決めてほしいです。無料で複数社の間取り+見積もりが届くサービスを使うだけで、僕がやらかした350万の損は普通に防げたと今でも思ってます。展示場を何件も回らなくていいので、時間もかからないですし。
すでに苦しい人は、銀行や専門家に相談に行く一歩を。これから建てる人は、契約前にもう一社だけでも比較する一歩を。
動いた人から、ちゃんとラクになっていく世界なので。同じ轍を踏む人が一人でも減ったら、この記事を書いた意味あるかなって思います。
家は、家族と笑って暮らすための場所のはずです。返済に追われて夫婦の会話が消えていく場所じゃない。あなたが夜中に通帳を見て眠れなくなる前に、契約前のいまだからできることをひとつだけ。それで守れるのは数百万円じゃなくて、これからの何十年の暮らしそのものだと、僕は本気で思ってます。



僕は350万損したけど、その経験を誰かの予防に使ってもらえたら、ちょっとは報われるかなって思ってます。一緒にがんばりましょう。












