2026年6月、僕は自分の家を5つの不動産一括査定に同時に出しました。同じ家、同じ日、同じ情報で出したのに、返ってきた金額はいちばん低くて2,890万円、いちばん高くて3,220万円でした。
差は330万円。数字を並べたスプレッドシートを見ながら、しばらく手が止まりました。
この330万円という幅は、僕が家を建てるときに1社しか見ないで契約して損した350万円と、ほとんど同じ大きさだったからです。
あいみつ買うときも売るときも、比べないと同じ額を落とすのか、と思い知りました。
はじめまして、あいみつです。35歳・地方都市の郊外に住む会社員で、2022年に35坪4LDKの注文住宅を4,200万円で建てました。
断熱を標準のままにしてしまった冬の寒さと、350万円の後悔を4年引きずって、「いっそ売って住み替えたほうがいいんじゃないか」と本気で考えたのが去年の話です。
この記事では、その5社の査定額を全部そのまま公開します。おすすめの順番も出しますが、僕が受けた査定は地方郊外・築4年の戸建てという条件でのものです。条件が変われば順位も変わる、というところまで正直に書きます。
「みんなの住宅失敗談」運営者。ハウスメーカーに言われるまま契約して、350万円もぼったくられた経験あり。
同じ後悔をする人を減らしたくて(本当はボッタクリ業者にムカつきすぎて)全国の住宅の失敗談を集めて発信しています。合言葉は「家を買うときは必ず相見積もりを取れ」。
先に、僕がたどり着いた結論だけ置いておきます。
\最初に結論/
今回まとめて依頼したのは、イエウール・HOME4U・おうちクラベル・すまいValue・リビンマッチの5つです。
僕が5社に同時査定を出した結果を全部公開します
まず、いちばん見たいところから出します。5社の査定額です。
順番に見ていきます。
5社の査定額:2,890万〜3,220万
物件は地方都市の郊外にある35坪4LDKの戸建てで、2022年完成の築4年です。駅までは車で15分、ごくふつうの住宅地にあります。
この条件を5社ぶん、同じ日にまとめて入力しました。返ってきた金額がこれです。
\同じ家を5社に出した結果/
| 【1位】 | 【2位】 | 【3位】 | 【4位】 | 【5位】 | |
|---|---|---|---|---|---|
| サイト | ![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
| 僕の査定額 | 3,220万円最高額 | 3,120万円 | 3,050万円 | 2,980万円 | 2,890万円最低額 |
| おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| 強み | 提携2000社超地方にも強い | NTTデータ系公式に悪い口コミも | 東証プライム依頼後にAI査定 | 大手6社直営都市部に強い | 最短45秒入力土地・農地もOK |
| 提携社数 | 全国2000社以上 | 厳選2,500社 | 公式に記載なし | 大手6社(792店舗) | 売却は約1,700社以上※ |
| 同時依頼 | 最大6社 | 最大6社 | 公式に記載なし | 最大6社(変動あり) | 最大6社 |
| 入力時間 | 最短60秒 | カンタン1分 | 60秒入力 | 簡単入力60秒 | 最短45秒 |
| 査定料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| こんな人に | 地方の戸建ても | 根拠を見たい人 | 上場運営で安心 | 都市部・大手志向 | 土地や特殊物件 |
| 公式 | 無料査定 | 無料査定 | 無料査定 | 無料査定 | 無料査定 |
→ 横にスクロールできます
※査定額は2026年6月に僕が地方都市郊外の35坪4LDK(2022年完成)で受け取った金額です。物件や時期で変わります。査定額は売却価格を保証するものではありません。※リビンマッチの提携社数は不動産売却の数字(2025年1月現在 当社調べ)。すまいValueは物件の所在地や種別によって査定可能な社数が変わります。
この金額は、それぞれの一括査定を経由して査定してくれた不動産会社が出した数字です。一括査定サイト自体が値段をつけているわけではありません。
最高がイエウール経由の地元不動産会社で3,220万円、最低がリビンマッチ経由の会社で2,890万円。その幅が330万円でした。
正直、ここまで開くと思っていませんでした。せいぜい50万や100万の話だろう、くらいの気持ちで入力していたので。
なぜ同じ家で330万も違ったのか
気になったので、査定書を送ってくれた担当者に片っ端から聞きました。「どうしてこの金額になったんですか」と。
返ってきた話をまとめると、ざっくり4つに分かれました。
- 地元の取引事例を持ってるか
- 仲介で預かるか買取寄りか
- 今その物件種別が欲しいか
- 強気に出すか固く出すか
いちばん高かった地元の会社の担当者は、電話口で「この学区、去年3件動いてるんですよ」と具体的な数字を出してきました。近所でいくらの値がついたかを知っているぶん、強気に出せる、という説明でした。
逆に低めだった会社の担当者は、「うちは買取も視野に入れて数字を作るので、どうしても固くなります」と言っていました。すぐ現金化できるかわりに、金額は抑えめになるという理屈です。
あと、これは僕が聞いた範囲の話ですが、その会社が今どんな物件を欲しがっているかでも数字は動くそうです。マンション中心でやっている会社に郊外の戸建てを出すと、どうしても本気度が薄くなる、と。



ここで大事なのは、高い査定額イコール高く売れる、ではないってことです。
担当者のひとりは、はっきりこう言っていました。「預かりたいから高めに出す会社もありますよ」と。いちばん高い数字を出した会社が、いちばん高く売ってくれる会社とはかぎりません。
だから僕は、金額だけでなく「その金額の根拠を説明できるか」を見るようになりました。根拠を聞いて言葉に詰まった会社は、たぶんそこまで真剣に計算していないんだと思います。
建てるとき1社で決めて350万損した話と同じでした
スプレッドシートに5つの数字を並べたとき、いちばん最初に浮かんだのは4年前の自分でした。
僕は家を建てるとき、他社をひとつも見ないままハンコを押しています。感じのいい営業さんに出会って、子どもにジュースを出してもらって、その日のうちに半分気持ちが決まっていました。
翌年、同じ会社の同僚が同じ坪数・同じ間取りの家を300万円安く建てていたと知りました。しかも断熱はうちよりいいグレードで。同僚は「最初に5社くらい同じ条件で見積もりを取っただけだよ」と、当たり前みたいに言いました。
長女を寝かしつけたあと、ダイニングテーブルで妻と無言で電卓を叩いた夜のことは、今でもよく覚えています。同僚との差300万円、後付け断熱の見積もり、要らなかったオプション。足すとだいたい350万円でした。
その4年後、売る側に回っても比べなければ330万円落ちることがわかったわけです。買うときも売るときも、比べていない人が数百万円ぶん静かに損をする構造は変わっていませんでした。
1社だけに査定を頼んで、その数字を「そんなものか」と受け取っていたら、僕は自分の家を2,890万円の家だと思い込んだまま次の判断をしていたはずです。それがいちばん怖いことでした。
不動産一括査定おすすめ5選【地方戸建てを5社に出した僕の順位】
ここからは5社を順番に並べます。先に順位の付け方を書いておきます。
この順位は、地方都市の郊外にある築4年の戸建てを売ろうとした僕ひとりの実感です。都市部のマンションを売る人や、駅前の土地を持っている人だと、順位はふつうに入れ替わります。
とくに、大手の営業エリアに入っている都市部なら、あとで4位に置いたすまいValueが1位でもおかしくありません。そこは正直に書いておきます。



順位より、自分の家がどのタイプかで選んでもらったほうが役に立つと思います。
5社の基本的なところを先に並べておきます。
※すまいValueは公式に「最大6社の査定が可能ですが、物件の所在地や種別によって査定可能な社数は変動します」と書かれています。おうちクラベルは同時依頼の上限社数を公式サイトに載せていないので、そのまま「記載なし」としました。
ひとつずつ見ていきます。
1位 イエウール:地元の会社が最高値を出した
僕がここで受けた査定額は3,220万円で、5社のなかで最高でした。査定してくれたのは、名前を聞いてもピンとこない地元の不動産会社です。
イエウールは、東証スタンダード市場に上場している株式会社Speeeが運営しています。公式サイトの表記で提携社数は「全国2000社以上」、対応は「全国47都道府県のどこからでも」、入力時間は「最短60秒」です。
良かったのは、大手だけでなく地元密着の会社が候補に出てきたところです。公式のよくある質問にも「大手不動産会社から地元密着型の中小不動産会社まで、様々な優良不動産会社が参画しています」と書かれていて、そのとおりでした。
郊外の戸建てって、全国区の会社より近所の相場を知っている会社のほうが数字を出せるんだな、というのが今回いちばんの発見でした。学区の取引を3件言えた担当者は、この会社の人です。
引っかかった点も書きます。申し込みの流れは公式の説明で「4〜6社を選択」となっていて、選んだぶんだけ連絡は来ます。僕は多めに選んだので、翌日は昼休みに着信が並びました。
あと、公式のよくある質問に営業電話についての項目はありません。だから「イエウールが電話をコントロールしてくれる」とは考えないほうがいいです。連絡してくるのは提携先の不動産会社なので。
実績は「イエウールの売却成立サポート件数 年間20万件突破!!」と公式に出ています。累計ではなく年間の数字です。
やりとりの速さは想定以上で、メールで数回と、対面で2,3回で完了した。
出典:イエウール公式サイト「ご利用者様の感謝の声」
\地元の会社まで含めて比べたいなら/
売却・住み替えを考えている方向けのサービスです
この会社ぶんだけをもっと詳しく知りたい方は、イエウールで査定を出したときの記録にまとめました。
2位 HOME4U:悪い口コミまで公式に載せている
僕がここで受けた査定額は3,050万円で、ちょうど真ん中でした。金額だけなら3位ですが、順位を2位にしたのには理由があります。
HOME4Uは株式会社NTTデータ・ウィズが運営していて、公式には「NTTデータグループ会社運営」と書かれています。提携は「厳選2,500社」、対応地域は47都道府県、入力は「カンタン1分入力」です。
公式に「2001年開始」「業界最長!実績24年」「累計75万件」と出ていて、この累計は公式記事のほうで「※2025年2月時点」と注釈がついています。24年やっているサービスというのは、素直に安心材料でした。
個人情報の扱いについて「官公庁や銀行などにも選ばれている優れたセキュリティシステムで、あなたの個人情報をしっかり守ります」と書いてあるのも、自宅の住所を入力する側としては効きました。
でも僕が2位にした最大の理由はそこじゃありません。公式サイトの中で、自社の悪い口コミまで載せているからです。
たくさん電話がかかってきて対応が大変だった(M.Tさん)
連絡がたくさんきて、しかも情報が連携されていないので何度も同じ話をしなければいけなかった(I.Wさん)
これ、自分のサービスの一番痛いところを自分で書いているわけです。都合のいい声だけ並べるサイトを散々見てきた身としては、ここでかなり評価が上がりました。
引っかかった点は、その口コミのとおりです。僕のときも連絡はしっかり来ましたし、会社ごとに同じ説明を繰り返す時間はかかりました。電話が苦手な人には、正直しんどい仕組みだと思います。
あと、机上査定と訪問査定の区別は公式のサービスページにはっきり書かれていません。公式記事のなかで「机上・訪問査定に関わらず必要な書類や情報があり」と触れられている程度なので、どちらでいくかは会社とのやりとりで決める形になります。
\2001年から続く老舗で比べるなら/
売却・住み替えを考えている方向けのサービスです
この会社ぶんだけをもっと詳しく知りたい方は、HOME4Uを使ったときの詳しい話にまとめました。
3位 おうちクラベル:金額は2番目、情報は少なめ
僕がここで受けた査定額は3,120万円で、5社のなかで2番目に高い数字でした。金額だけ見れば2位です。
それでも3位に置いたのは、申し込む前に判断できる材料が、他社より少なかったからです。ここは正直に書きます。
おうちクラベルは、東証プライム上場企業のSREホールディングス株式会社が運営しています。公式の言葉だと「東証プライム上場のSREホールディングス株式会社が運営する安心の無料一括査定サイト」です。
入力は「60秒入力で無料査定」、対象は「戸建てやマンション、アパート、土地などあらゆる不動産の査定を提供しています」となっています。よくある質問には「おうちクラベルでご紹介する不動産会社の査定は、訪問査定、机上査定ともに全て無料です」とはっきり書いてありました。
AI査定価格の話も出てきますが、ここは順番を間違えると期待外れになります。公式の説明は「複数の不動産会社へ一括査定依頼後、AI査定価格がその場でわかります」です。
ご利用の流れのページでも、STEP1が「無料一括査定を依頼」、STEP2が「AIによる査定価格をその場で確認」という並びになっています。申し込まずにAI査定だけ先に使える、という作りではありません。
※AI査定価格は蓄積したデータと独自の価格推定アルゴリズムに基づき算出した価格であり、あくまで参考値となります。売却の成否及び実際の売却価格を保証するものではありません。
引っかかった点は3つあります。提携している不動産会社の社数が公式サイトに書かれていないこと。同時に依頼できる上限社数も書かれていないことです。
それと、利用者の声にあたるページが見当たりませんでした。他の4社は公式サイトにお客様の声を載せているので、ここは差を感じたところです。
提携会社の一覧ページ自体はあって、そこには47都道府県ぶんの会社が並んでいます。ただ「何社と提携しています」という数字はどこにも出ていません。数字がないものを他所から借りてきて書くわけにはいかないので、そのまま書きました。
結果として高い数字は出してもらえたので、サービスとして悪いという話ではまったくありません。事前に比べる材料がほしいタイプの人だと、少し不安になるかも、という順位です。
\東証プライム上場企業が運営/
売却・住み替えを考えている方向けのサービスです
この会社ぶんだけをもっと詳しく知りたい方は、おうちクラベルで確かめたことにまとめました。
4位 すまいValue:大手6社だけど郊外は要注意
僕がここで受けた査定額は2,980万円でした。5社のなかでは下から2番目です。
すまいValueは、他の4社と成り立ちが違います。運営しているのは1社ではなく、小田急不動産(株)・住友不動産ステップ(株)・東急リバブル(株)・野村不動産ソリューションズ(株)・三井不動産リアルティ(株)・三菱地所ハウスネット(株)の大手6社です。
公式のキャッチコピーが「大手6社の一括査定で、相場がわかる!比較ができる!」。名前を知っている会社にまとめて出せるのは、それだけで気持ちが軽くなります。
実績は「査定依頼件数 117万件突破!」「2025年度 ご成約件数6社合計 11万件以上」と公式に出ています。「安心・安全に取引できた 95.5%」という数字もありますが、これは「2023年度内に査定依頼を行い、査定依頼から1年以内に媒介契約を結び、かつ媒介契約から1年以内に成約した方のうち、媒介契約から売却まで3ヶ月以内に至った方の割合」という条件つきの数字です。
この手の数字は条件を外して見ると意味が変わってしまうので、そのまま書きました。机上査定・訪問査定はどちらも無料です。
引っかかった点は、僕みたいな地方郊外の住人にとっては大きいところです。公式には「全国対応 792店舗」とありますが、よくある質問には「お客様がお選びいただいた地域は、すまいValue運営各社の営業エリア外となっております」という案内文が用意されています。
同時依頼についても「※最大6社の査定が可能ですが、物件の所在地や種別によって査定可能な社数は変動します」と但し書きがついています。必ず6社そろって返ってくるものではない、と思っておいたほうがいいです。
だから4位にしています。逆に言えば、都市部や大手の営業エリアにある物件なら、この順位はひっくり返ります。うちが郊外だっただけの話です。
3社が査定に来てくれ、会社により査定額が少し違う事や、不動産により雰囲気が違ったため、相見積もりとれてよかった。(茨城県つくば市 A様)
出典:すまいValue公式サイト「お客様の声」
\名前を知っている大手6社に一度で/
売却・住み替えを考えている方向けのサービスです
この会社ぶんだけをもっと詳しく知りたい方は、すまいValueを地方で使った記録にまとめました。
5位 リビンマッチ:入力は最速、金額は最低だった
僕がここで受けた査定額は2,890万円。5社のなかでいちばん低い数字でした。
ただ、これはリビンマッチというサービスが悪いという話ではありません。買取も視野に数字を作ると固くなる、と説明してくれた会社がここ経由だっただけです。
運営はリビン・テクノロジーズ株式会社で、公式に「東証グロース上場」「証券コード:4445」と書かれています。証券コードまで書いているのは5社でここだけでした。
良かった点は入力の速さです。公式表記は「最短45秒ネットでお手軽査定依頼」で、5社のなかでいちばん短い数字でした。仕事の昼休みに片付けたい人にはこれが効きます。
扱う物件の幅も広くて、査定フォームには分譲マンション・一戸建て・土地のほかに、一棟アパート・店舗・工場・倉庫・農地まで並んでいます。不動産売却だけでなく買取・任意売却・リースバック・土地活用まで扱っているのもここの特徴です。
実績は「年間240,000件の査定依頼・資料請求実績」「約18年の運営実績」と公式に出ています。
引っかかった点は、金額が最低だったこと。それと連絡の速さです。これは公式サイトが自分で書いています。
登録してからわずか数分で電話があったのには本当に驚きましたね。訪問査定もスピード感があってリビンマッチの登録からなんと3日後に来てくれたんですよ。(K様、東京都世田谷区、分譲マンション売却)
出典:リビンマッチ公式サイト「利用者の声」
この「数分で電話」は、急いでいる人には長所で、心の準備をしたい人には短所です。入力ボタンを押す前に、電話に出られる時間帯かどうかだけ確認しておくと気持ちがだいぶ楽になります。
提携社数については、公式のなかでも表記が分かれています。売却のページには「全国約1,700以上※の不動産会社」(※2025年1月現在 当社調べ)、トップページには「全国で2,100社以上(サービスごとに社数は異なる)」とあります。売却の話なら前者で見ておくのが正確です。
対応エリアも「全国の査定が可能となっております。一部の地域においてはお取り扱いがない地域もございます」と公式に書かれています。
\最短45秒でとりあえず1社増やすなら/
売却・住み替えを考えている方向けのサービスです
この会社ぶんだけをもっと詳しく知りたい方は、リビンマッチを使ったときの話にまとめました。
不動産一括査定を出す前に知っておいてほしいこと
ここは、僕が入力ボタンを押す前に誰かに教えてほしかったことです。
ひとつずつ書いていきます。
依頼した会社から連絡は来ます



営業電話がこわくて、入力画面で手が止まってるんですけど…
その気持ち、めちゃくちゃわかります。僕も送信ボタンの前で1回タブを閉じました。
そのうえで正直に書きます。一括査定は、依頼した不動産会社から連絡が入るのが前提の仕組みです。査定額を出すには、その会社の担当者が動くしかないので。
僕の場合、入力した翌日から電話とメールが来ました。いちばん早かったのは当日です。会社によっては、公式サイトで「登録してからわずか数分で電話があった」という利用者の声を載せているくらいなので、速い会社は本当に速いです。
ただ、内容はごくふつうでした。「査定に必要な情報を追加で聞きたい」「訪問して中を見せてもらえるか」という確認がほとんどです。夜中に鳴ったことはありませんでしたし、断ったあとに食い下がられたこともありません。
大変だったのは、しつこさより同じ説明を会社の数だけ繰り返すことでした。築年数、間取り、土地の広さ、売りたい時期。5社ぶん同じことを話すので、3社目くらいから台本ができました。
だから「電話は来ない」と書いてあるサイトがあったら、それは信じないほうがいいです。来る前提で、出られる時間帯に申し込むのが現実的な対処だと思っています。
査定額は「売れる金額」ではありません
ここを勘違いすると、あとでいちばんつらい思いをします。
査定額は、その不動産会社が「たぶんこのくらいで売れるだろう」と見立てた金額です。買い手が現れて、その金額で合意して、はじめて売却価格になります。
僕が受けた3,220万円も、そのまま3,220万円で売れることを約束された数字ではありません。担当者も「売り出してみて反応を見ながら調整します」と言っていました。
むしろ気をつけたいのは、高すぎる査定額です。ある担当者は「まず預かりたいから高めに出す会社もある」とはっきり言っていました。高い数字で契約して、売れないまま値下げしていく流れは、いちばん時間を失うパターンだそうです。
だから僕は、金額の高さよりその金額の根拠を説明できるかどうかを見るようにしました。近所の成約事例を出せる担当者は、話していて納得感が違います。
依頼する会社を絞れば連絡は減ります
一括査定は「入力したら全社に自動でばらまかれる」ものではありません。多くのサービスでは、査定を依頼する会社を自分で選ぶ画面があります。
イエウールなら、公式の申し込みの流れの説明が「4〜6社を選択。」となっています。すまいValueは「※最大6社の査定が可能ですが、物件の所在地や種別によって査定可能な社数は変動します」と書かれています。
つまり、選ぶ数を減らせば、連絡してくる会社の数も減ります。当たり前の話なんですが、僕は最初これに気づかず、全部にチェックを入れて着信の山を作りました。
今から同じことをやるなら、僕はこうします。
- まず3社くらいに絞る
- 大手と地元を必ず混ぜる
- 出られる曜日に申し込む
- 足りなければ後から追加
ただ、絞りすぎると今度は比べる意味が薄くなります。1社だけに頼むのは、僕が家を建てるときにやらかしたことと同じです。最低でも3社は並べたほうがいいと思っています。
机上査定と訪問査定は中身が違います
査定にはざっくり2種類あります。書類やデータだけで出す机上査定と、担当者が家に来て見る訪問査定です。
イエウールの公式のよくある質問には「正確に査定したい場合は訪問査定、手早さを重視したい場合は机上査定がおすすめです」と書かれています。この一文がいちばんわかりやすい説明でした。
おうちクラベルもすまいValueも、机上査定・訪問査定はどちらも無料です。リビンマッチの売却ページにも机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類が説明されています。
僕は最初にまとめて机上査定をもらって、そのなかから話が具体的だった会社にだけ訪問査定をお願いしました。全部の会社に家へ来てもらうのは、共働きの家庭だと日程調整だけで力尽きます。
ちなみに訪問査定の日は、妻が朝から掃除機をかけていました。査定額は掃除で変わらないよ、と言ったんですが、聞いてもらえませんでした。
お金がかかるのは、売れたときです
「無料って書いてあるけど、あとで請求されないよね」という不安、ありますよね。僕もありました。
イエウールの公式のよくある質問に、いちばんはっきりした答えが載っています。
無料で利用できます。運営会社は提携不動産会社から収益を得ているため、利用者に費用はかかりません。実際に売却が成立した場合は仲介手数料が発生しますが、それは通常の取引に伴う費用です。査定依頼や比較の段階でお金がかかることはないので、安心して利用できます。
すまいValueのよくある質問には、仲介手数料の上限も書かれています。「仲介手数料は不動産の価格が400万円以上の場合、『消費税抜き取引金額×3%+60,000円』(別途消費税)が上限となります」という式です。
この式、覚えておくと後で効きます。僕が売らなかった判断も、まさにこの計算から出てきました。
僕が結局その家を売らなかった理由
ここまで書いておいてなんですが、僕はこの家を売っていません。査定を取っただけです。
順番に書きます。
最高額でも、残債に13万円届かなかった
うちの住宅ローンは地方銀行の変動0.5%台、35年で3,500万円借りています。月々の返済は約9万円です。
2026年6月時点の残債は約3,130万円でした。
いちばん高い3,220万円で売れたとして、そこから仲介手数料を引きます。さっきの式に当てはめると、上限はだいたい103万円。3,220万円から103万円を引くと、手元に残るのは約3,117万円です。
残債3,130万円に対して、約13万円足りません。しかもここには印紙代なんかがまだ乗ります。
5社のうちいちばんいい数字を引き当てて、それでも足が出る。電卓を叩き終わったとき、正直「そりゃそうか」と声が出ました。築4年でローンを3,500万円組んでいれば、こうなるのが当たり前なんですよね。
最低額で頼んでいたら333万円の持ち出し
もっと怖いのは、こっちの計算です。
もし僕が1社にだけ査定を頼んで、それがいちばん低い2,890万円だったとします。仲介手数料の上限は約93万円なので、手元に残るのは約2,797万円。
残債3,130万円との差は約333万円。売るために、現金で333万円を用意しないといけない計算になります。
その1社の数字しか知らなかったら、僕は「うちの家は2,890万円の価値なんだ」と思い込んだまま、住み替えという選択肢ごと捨てていたはずです。



相見積もりって、高く売るためだけじゃなくて、判断を間違えないためのものなんですよね。
逆に、いちばん高い3,220万円だけを見て「いけるかも」と走り出していたら、それはそれで危なかったと思います。5つ並んでいたから、真ん中あたりが現実的なラインなんだなと落ち着いて考えられました。
土地の事情と、小学1年生の娘
お金以外の理由も2つありました。
ひとつは土地です。うちの土地は妻の実家から譲ってもらったもので、義父母は今も歩いて行ける距離に住んでいます。売るとなれば、まずそこに相談しないといけません。
数字の話より、こっちのほうが重かったです。詳しくは妻の実家の土地に家を建てた話にも書きましたが、ありがたい話であると同時に、身動きが取りづらくなる話でもあります。
もうひとつは長女です。査定を取ったのは、あの子が小学1年生に上がったばかりの時期でした。友達の名前をやっと覚えて帰ってくるようになった頃に、転校の話を切り出す気にはなれませんでした。
寒い家を我慢するのと、娘の学校を変えるの。どっちが後悔するかは、電卓では出ませんでした。
「売らない」と決められたことも査定の価値でした
結果として、僕は住み続ける判断をしました。断熱等級4のままの家に、今も住んでいます。
それでも、この査定は取ってよかったと思っています。
4年間、僕はずっと「売ったらどうなるんだろう」を頭の隅に置いたまま暮らしていました。冬に足の裏が冷たくなるたびに、その考えがちらつくわけです。決めきれないまま抱えているのが、いちばん消耗しました。
それが5つの数字を見た日に終わりました。今は売れない、と数字で納得できたので。
今は、売る前提を外して、後付けの断熱工事の見積もりを取り始めています。同じ家に住み続けるほうの改善に頭を切り替えられたのは、査定で現在地がわかったからです。
売る・売らないを決めるための材料として、5社ぶんの数字は十分すぎるほど役に立ちました。
不動産一括査定が向いている人・向かない人
使ってみて感じた向き不向きを、正直に整理します。
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| 売却・住み替えを検討中 | 売る予定がまったくない |
| 複数の見立てを並べたい | 連絡が一切来ないのを望む |
| 地元と大手を両方見たい | もう依頼先を決めている |
| 残債と比べて判断したい | 今すぐ現金化したい |
いちばんはっきり書いておきたいのは右上です。売る予定がまったくない人は、一括査定を使うべきではありません。
査定は、不動産会社の担当者が時間を使って作るものです。近所の成約事例を調べて、書類を用意して、電話をかけてくる。売る気がないのにそれをやらせるのは、単純にお互いの時間の無駄になります。
僕は結果として売りませんでしたが、あの時点では本気で住み替えを考えていました。ローンの残債と査定額を並べて、いけるなら動くつもりで入力しています。そこは書いておきます。
逆に向いているのは、僕みたいに売るかどうかを数字で決めたい人です。残債がいくらで、いま売ったらいくらで、差がいくらか。この3つがわかると、迷いが一気に減ります。
それと、今すぐ現金化したい人は一括査定より買取のほうが早いです。仲介は買い手が見つかるまでの時間が読めないので、期日が決まっている人には向きません。



売る気があるなら、3社くらい並べるだけで判断の精度がまるで変わりますよ。
あわせて読みたい関連記事です。
参考記事:新築を後悔して建て直したい…350万円損した僕の体験談と現実的な選択


参考記事:住宅ローン地獄で後悔…【実体験ブログ】抜け出した5人の記録


不動産一括査定のおすすめ・比較に関するよくある質問
- 不動産一括査定は本当に無料で使えますか?
-
はい、査定を依頼して比べる段階でお金はかかりません。イエウール公式のよくある質問でも「査定依頼や比較の段階でお金がかかることはない」と説明されています。費用が発生するのは売却が成立したときの仲介手数料などです。
- 不動産一括査定をしたら必ず売らないといけませんか?
-
いいえ。売却価格に納得がいかなければ、無理に売却しなくても構いません。僕自身、5社に査定を出したうえで残債に届かないとわかり、売らずに住み続ける判断をしました。ただし売る予定がまったくない状態での依頼は避けてください。
- 不動産一括査定を出すと営業電話はかかってきますか?
-
かかってきます。査定を出すのは提携先の不動産会社なので、連絡が入るのが前提の仕組みです。僕の場合は申し込みの翌日から電話とメールが届きました。出られる時間帯を考えてから申し込むのがおすすめです。
- 不動産一括査定は何社くらいに依頼すればいいですか?
-
最低3社は並べたほうがいいです。僕の場合、最高と最低で330万円の差がつきました。1社だけだとその数字が高いのか低いのか判断できません。連絡の量が心配なら、まず3社から始めて後から足す形でも十分です。
- 不動産一括査定の査定額どおりの金額で売れますか?
-
いいえ。査定額は不動産会社の見立てであって、売却が約束された金額ではありません。買い手が現れて合意して、はじめて売却価格が決まります。高すぎる査定額を出す会社もあるので、金額より根拠を説明できるかを見てください。
- 不動産一括査定の机上査定と訪問査定は何が違いますか?
-
机上査定は書類やデータだけで出す簡易な査定、訪問査定は担当者が家を見て出す査定です。イエウール公式は「正確に査定したい場合は訪問査定、手早さを重視したい場合は机上査定」と説明しています。まず机上で絞ってから訪問を頼むと負担が減ります。
- 不動産一括査定はどれを選べばいいですか?
-
物件の場所と種別で変わります。僕のような地方郊外の戸建てなら地元の会社が出てくるイエウールが強かったです。都市部で大手の営業エリアに入っているならすまいValue、入力の速さで選ぶならリビンマッチ、という選び方になります。
- おうちクラベルのAI査定価格はいつ見られますか?
-
公式の説明では「複数の不動産会社へ一括査定依頼後、AI査定価格がその場でわかります」となっています。申し込む前にAI査定だけ先に使える仕組みではありません。※AI査定価格は蓄積したデータと独自の価格推定アルゴリズムに基づき算出した価格であり、あくまで参考値となります。売却の成否及び実際の売却価格を保証するものではありません。
- すまいValueは全国どこでも大手6社から査定が届きますか?
-
いいえ。公式に「最大6社の査定が可能ですが、物件の所在地や種別によって査定可能な社数は変動します」と書かれています。よくある質問には営業エリア外を案内する文章もあるので、郊外や地方の物件は届く社数が減る前提で考えてください。
- 不動産を売却すると費用はどれくらいかかりますか?
-
代表的なのが仲介手数料です。すまいValue公式のよくある質問では、価格が400万円以上の場合の上限を「消費税抜き取引金額×3%+60,000円(別途消費税)」と説明しています。ほかに契約書に貼る印紙税などもかかります。
まとめ:同じ家でも、聞く相手で330万円変わりました
2026年6月、僕は自分の家を5つの不動産一括査定に同時に出して、2,890万円から3,220万円という答えを受け取りました。同じ家、同じ日、同じ情報で、330万円の幅です。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
家は人生でいちばん大きい買い物で、たぶんいちばん大きい売り物でもあります。その金額を1社の見立てだけで決めてしまうと、情報の差がそのまま数百万円の差になります。
僕は建てるときにそれをやって350万円落としました。4年後、売る側に回っても330万円の幅がありました。比べていない人が損をする構造は、買うときも売るときも同じです。
売却や住み替えを本気で考えているなら、まず地元に強いところと大手を混ぜて3社ほど並べてみてください。僕の場合、地元の会社が出てきたイエウールがいちばん高い数字を出し、大手にまとめて出したいならすまいValue、老舗の安心感ならHOME4U、上場企業の運営ならおうちクラベル、入力の速さならリビンマッチという並びでした。
ただ、売る予定がまったくないなら、今回は閉じてください。担当者の時間を使う仕組みなので、そこだけはお願いします。



迷ってるなら、数字を並べてから決めればいいんです。決めるのはそのあとで大丈夫。
あの夜、妻と電卓を叩きながら「もっと早く比べていれば」と思ったことを、次の誰かがしなくて済みますように。














